宋名臣言行録 / 前集巻三・張詠
公寢室中張燈炷香通夕宴坐郡樓上鼓畨漏水厯厯分明儻一刻差必詰之守籖者指名伏辜謂公為神明公曰鼓角為中軍號令號令在前尚不分明其餘外事將如何也
新字:公寝室中張灯炷香通夕宴坐郡楼上鼓畨漏水歴歴分明儻一刻差必詰之守籖者指名伏辜謂公為神明公曰鼓角為中軍号令号令在前尚不分明其余外事将如何也
書き下し
公、寢室の中に燈を張り香を炷き、夕を通じて宴坐す。郡樓上の鼓畨・漏水、歷歷として分明なり。儻し一刻も差わば必ず之を詰る。籖を守る者、名を指されて辜に伏す。公を謂いて神明と為す。公曰く、鼓角は中軍の號令為り。號令、前に在りて尚お分明ならず。其の餘の外事、將に如何せんとやと。
現代語訳
公は寝室に灯りをともし香を焚いて、一晩中静かに坐っていた。郡の楼上の太鼓の打ち替えと水時計の音が、はっきりと聞き分けられた。もし一刻でも狂えば必ず問い詰めた。時計の札を守る者は、名を指されて罪に服した。人々は公を神のようだと言った。公は言った。「太鼓と角笛は中軍の号令である。号令が目の前にあってさえ、はっきりしない。それ以外の外の事は、いったいどうなるのか」。
解説
一晩中坐って、時計の狂いを聞き分けていた条です。神業のように言われたのを、本人は否定します。太鼓と角笛は中軍の号令だ。号令が目の前にあってさえ、はっきりしない。それ以外の外の事はどうなるのか。細かいことに厳しいのではなく、いちばん近くの合図が狂っていることを問題にしています。前の条で瓦職人の段取りまで知っていたのと、同じところから出ている厳しさです。
この章句が説くこと
鼓角は中軍の号令為り号令前に在りて尚お分明ならず其の余の外事将に如何せんとや儻し一刻も差わば必ず之を詰る号令精度点検
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