宋名臣言行録 / 前集巻三・張詠
公凡有興作先帖諸縣于民籍中係工匠者具帳申来分為四畨役十日滿則罷去夏則夘入午歇一時冬抵莫放各給木札一幞以禦寒工徒皆悦有一瓦匠因雨乞假公判云天晴葢瓦雨下和泥事雖至㣲公俱知悉
新字:公凡有興作先帖諸県于民籍中係工匠者具帳申来分為四畨役十日満則罷去夏則夘入午歇一時冬抵莫放各給木札一幞以禦寒工徒皆悦有一瓦匠因雨乞仮公判云天晴葢瓦雨下和泥事雖至微公倶知悉
書き下し
公、凡そ興作有れば、先ず諸縣に帖して、民籍中の工匠に係る者を、帳を具えて申し来たらしむ。分かちて四畨と為し、役すること十日、滿つれば則ち罷め去る。夏は則ち夘に入り午に歇む。一時、冬は莫に抵りて放つ。各々木札一幞を給して以て寒を禦がしむ。工徒皆な悦ぶ。一瓦匠有り、雨に因りて假を乞う。公判じて云う、天晴れなば瓦を葢い、雨下らば泥を和せよと。事は至って㣲なりと雖も、公は俱に知悉す。
現代語訳
公は工事を起こすときは、まず諸県に通達して、戸籍の中で工匠に当たる者を帳簿にまとめて提出させた。それを四つの組に分け、十日ずつ働かせ、期間が満ちればやめて帰らせた。夏は卯の刻に入って午の刻に休ませた。冬は日暮れまで働かせて帰した。それぞれに木の削り屑を一包み与えて寒さを防がせた。職人たちはみな喜んだ。ある瓦職人が、雨が降ったので休みを願い出た。公は判を下して言った。「天が晴れたら瓦を葺け、雨が降ったら泥をこねよ」。事は極めて細かいことだが、公はどれも知り尽くしていた。
解説
徴用の仕組みを細かく決めた条です。四つの組に分けて十日ずつ、夏は朝から昼まで、冬は日暮れまで、木の削り屑を一包みずつ配って寒さをしのがせる。職人が喜んだ、と書かれています。そして雨で休みを願い出た瓦職人への一言。天が晴れたら瓦を葺け、雨が降ったら泥をこねよ、と。現場の段取りを知っている者にしか書けない判決です。厳しいのですが、休ませない代わりに仕事を作っています。
この章句が説くこと
分かちて四畨と為し役すること十日満つれば則ち罷め去る各々木札一幞を給して以て寒を禦がしむ天晴れなば瓦を葢い雨下らば泥を和せよ徴用段取り現場
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