宋名臣言行録 / 前集巻二・王旦
公每見家人服飾似過即瞑目曰吾門素風亦至于此亟令減損故家人或有一衣稍華必于車中易之不敢令公見焉
新字:公毎見家人服飾似過即瞑目曰吾門素風亦至于此亟令減損故家人或有一衣稍華必于車中易之不敢令公見焉
書き下し
公、家人の服飾の過ぐるに似たるを見る毎に、即ち目を瞑じて曰く、吾が門の素風も亦た此に至るかと。亟かに減損せしむ。故に家人或いは一衣の稍や華なる有らば、必ず車中に于いて之を易え、敢えて公をして見せしめず。
現代語訳
公は家の者の衣服や飾りが度を越しているように見えるたび、すぐに目を閉じて言った。「わが家の質素な風も、ここまで来てしまったか」。そしてただちに減らさせた。だから家の者は、少しでも華やかな衣があると、必ず車の中でそれを着替えて、公の目に触れないようにした。
解説
四十六字ですが、後半が効いています。度を越した衣を見るたび目を閉じて嘆き、減らさせる。その結果、家の者は車の中で着替えるようになりました。倹約が徹底したのではなく、隠すのが上手くなっただけです。編者はそれを咎めもせず、成功例としても書いていません。前の条の「一言も言わなかった」と並べると、同じ人の効いた沈黙と効かなかった嘆きが、対になって置かれています。
この章句が説くこと
吾が門の素風も亦た此に至るか亟かに減損せしむ必ず車中に于いて之を易え敢えて公をして見せしめず倹約家風注意
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