宋名臣言行録 / 前集巻二・王旦
公常與楊文公評品人物楊曰丁謂乆逺果何如對曰才則才矣語道則未它日在上位使有徳者助之庶得終吉若獨當權必為身累後謂果被流竄
新字:公常与楊文公評品人物楊曰丁謂久遠果何如対曰才則才矣語道則未它日在上位使有徳者助之庶得終吉若独当権必為身累後謂果被流竄
書き下し
公常に楊文公と人物を評品す。楊曰く、丁謂は乆逺に果たして何如と。對えて曰く、才は則ち才なり。道を語れば則ち未だしなり。它日、上位に在らば、有徳者をして之を助けしめば、庶わくは終に吉なるを得ん。若し獨り權に當たらば、必ず身の累いと為らんと。後、謂果たして流竄せらる。
現代語訳
公はいつも楊億と人物を品定めしていた。楊億が言った。「丁謂は長い目で見て、はたしてどうでしょうか」。公は答えた。「才は確かに才だ。道を語らせればまだ足りない。いつか上の位に就いたとき、徳のある者に助けさせれば、おそらく終わりを全うできるだろう。もし一人で権を握れば、必ずその身の禍いとなる」。後に丁謂ははたして流罪となった。
解説
同じ丁謂を、李沆は「人の上に置いてよいものか」と断じ、王旦は条件つきで見た条です。才は確かに才だ、徳のある者に助けさせれば終わりを全うできる、一人で権を握れば必ず身の禍いになる。人そのものの善悪ではなく、配置しだいだと見ています。実際には一人で権を握り、流罪になりました。二人の見立てが並べて残されているところが、この書の作りです。
この章句が説くこと
才は則ち才なり道を語れば則ち未だしなり有徳者をして之を助けしめば庶わくは終に吉なるを得ん若し独り権に当たらば必ず身の累いと為らん人物眼配置権限
関連する章句
-
『墨子』魯問魯陽文君、将に鄭を攻めんとす。子墨子、聞きて之を止め、陽文君に謂いて曰く、「今、魯の四境の内をして、大都、其の小都を攻め、大家、其の小家を伐ち、其の民を殺し、人、其の牛馬狗豕布帛米粟貨財を取らしめば、則ち何若」と。魯陽文君曰く、「魯の四境の内は、皆な寡人の臣なり。今、大都、其の小都を攻め、大家、其の小家を伐ち、之が貨財を奪わば、則ち寡人、必ず将に厚く之を罰せんとす」と。子墨子曰く、「夫れ天の兼ねて天下を有つや、亦た猶お君の四境の内を有つがごときなり。今、兵を舉げて将に以て鄭を攻めんとす。天の誅、其れ至らざらんや」と。魯陽文君曰く、「先生、我が鄭を攻むるを止むるか。我が鄭を攻むるは天の志に順う。鄭人、三世、其の父を殺す。天、誅を加えて、三年、登らざらしむ。我れ将に天の誅を助けんとす」と。子墨子曰く、「鄭人、三世、其の父を殺して、天、誅を加え、三年、登らざらしむ。天の誅、足れり。今、又た兵を舉げて将に以て鄭を攻めんとして、曰く、『吾が鄭を攻むるや、天の志に順う』と。譬えば人、此に有り。其の子、强梁にして不材なり。故に其の父、之を笞つ。其の鄰家の父、木を舉げて之を擊ちて曰く、『吾れ之を擊つや、其の父の志に順う』と。則ち豈に悖らざらんや」と。
-
『呻吟語』外篇・治道・位以て其の惡を濟す政を為す者は、行ふを得れば即ち行ふの謂に非ず、行ふ可きに從ひて則ち行ふのみ。行ふを得るの勢ひ有りて、行ふ可きの理に昧ければ、是れ位以て其の惡を濟すなり。君子は之を賊と謂ふ。
-
『韓非子』難勢第四十堯も匹夫為らば、三人を治むること能わじ、而して桀天子為れば、能く天下を亂る。吾此を以て勢位の恃むに足り、而して賢智の慕うに足らざるを知るなり。
-
『学問のすゝめ』五編・明治七年一月一日の詞・国は政府の私有にして人民は国の食客たるがごとしそもそもわが国の人民に気力なきその原因を尋ぬるに、数千百年の古より全国の権柄を政府の一手に握り、武備・文学より工業・商売に至るまで、人間些末の事務といえども政府の関わらざるものなく、人民はただ政府の嗾するところに向かいて奔走するのみ。あたかも国は政府の私有にして、人民は国の食客たるがごとし。すでに無宿の食客となりてわずかにこの国中に寄食するを得るものなれば、国を視ること逆旅のごとく、かつて深切の意を尽くすことなく、またその気力を見わすべき機会をも得ずして、ついに全国の気風を養いなしたるなり。
-
『韓非子』外儲説右上第三十四其の下翎を断てば、則ち必ず人を恃みて食ふ、焉んぞ馴れざるを得んや。夫れ明主の臣を畜ふも亦然り、
-
『墨子』尚賢上故に古者、聖王の政を為すや、徳を别ちて賢を尚び、農と工肆の人に在りと雖も、能有れば則ち之を舉げ、髙く之に爵を予え、重く之に祿を予え、之に任ずるに事を以てし、斷じて之に令を予う。曰く、「爵位髙からざれば則ち民敬わず、蓄祿厚からざれば則ち民信ぜず、政令斷ぜざれば則ち民畏れず」と。三者を舉げて之を賢者に授くるは、賢の為に賜うに非ざるなり、其の事の成らんことを欲すればなり。故に是の時に當たりて、徳を以て列に就き、官を以て事に服し、勞を以て賞を殿し、功を量りて祿を分かつ。故に官に常の貴無く、民に終の賤無し。能有れば則ち之を舉げ、能無ければ則ち之を下す。公義を舉げ、私怨を辟く。此れ若の言の謂いなり。

人生を、一行の式にしてみた。
志×積×時×憤÷(1+執)+命。古典から導いた式『人生の方程式』と、二十四の悩みに古典が答える『人生の教科書』(PDF)、師導の全機能1か月がセットで700円です。
本の中身を見る