宋名臣言行録 / 前集巻二・王旦
冦凖為樞使當罷使人私公求為使相公大驚曰將相之任豈可求耶且吾不受私凖深恨之已而制出除凖武勝軍節度使同中書門下平章事凖入見泣涕曰非陛下知臣何以至此真宗具道公所以薦凖者凖始愧嘆以為不可及
新字:寇凖為枢使当罷使人私公求為使相公大驚曰将相之任豈可求耶且吾不受私凖深恨之已而制出除凖武勝軍節度使同中書門下平章事凖入見泣涕曰非陛下知臣何以至此真宗具道公所以薦凖者凖始愧嘆以為不可及
書き下し
冦凖、樞使と為り、當に罷むべし。人をして私かに公に使相と為らんことを求めしむ。公大いに驚きて曰く、將相の任、豈に求む可けんや。且つ吾れ私を受けずと。凖深く之を恨む。已にして制出でて凖を武勝軍節度使・同中書門下平章事に除す。凖入見して泣涕して曰く、陛下、臣を知るに非ずんば、何を以て此に至らんと。真宗具さに公の凖を薦むる所以を道う。凖始めて愧嘆して以て及ぶ可からずと為す。
現代語訳
寇準が枢密使であって、まさに罷免されようとしていた。人をやって内々に、公に使相の位を求めさせた。公はひどく驚いて言った。「将と相の任は、どうして求めてよいものか。それに私は内々の頼みを受けない」。寇準は深くそれを恨んだ。ほどなく詔が出て、寇準を武勝軍節度使・同中書門下平章事に任じた。寇準は参内して涙を流して言った。「陛下が臣を知ってくださらなければ、どうしてここまで至れましょう」。真宗は、公が寇準を推薦した経緯をつぶさに語った。寇準ははじめて恥じ入り嘆じて、及びがたいと思った。
解説
内々の頼みを断ったうえで、公の場で推挙していた条です。断り方は原則だけでした。将と相の任はどうして求めてよいものか、それに私は内々の頼みを受けない。寇準は恨みます。ところが詔が出て、望んだ位に就いた。帝の口から経緯を聞くまで、誰が推したかを知りませんでした。頼みを受けないことと推すことが、この人の中では矛盾していません。
この章句が説くこと
将相の任豈に求む可けんや且つ吾れ私を受けず凖深く之を恨む真宗具さに公の凖を薦むる所以を道う私事推挙原則
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