宋名臣言行録 / 前集巻二・呂端
太宗欲相正惠公左右或曰端為人糊塗鶻突帝曰端小事糊塗大事不糊塗決意相之
新字:太宗欲相正恵公左右或曰端為人糊塗鶻突帝曰端小事糊塗大事不糊塗決意相之
書き下し
太宗、正惠公を相とせんと欲す。左右或ひと曰く、端の人と為り糊塗鶻突なりと。帝曰く、端は小事に糊塗なるも、大事に糊塗ならずと。意を決して之を相とす。
現代語訳
太宗が正恵公(呂端)を宰相にしようとした。側近のある者が言った。「呂端の人柄は、ぼんやりしていて要領を得ません」。帝は言った。「呂端は小事にはぼんやりしているが、大事にはぼんやりしていない」。そう決めて宰相にした。
解説
三十四字で人物評がひっくり返る条です。「ぼんやりしていて要領を得ない」という評に対し、太宗はこう返しました。**小事にはぼんやりしているが、大事にはぼんやりしていない。**同じ性質を、どの場面で見るかで評価が逆になる、と言っています。次の二つの条が、その「大事」の実物です。李継遷の母の処遇と、太宗崩御の日の継承。評語だけでなく、それを裏づける事件を並べて置くのがこの書の作りです。
この章句が説くこと
端は小事に糊塗なるも大事に糊塗ならず端の人と為り糊塗鶻突なり意を決して之を相とす人物眼評価場面
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