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宋名臣言行録 / 前集巻一・呂䝉正

有一朝士家藏古鑑自言能照二百里欲因公弟獻以求知其弟伺間從容言之公笑曰吾面不過楪子大安用照二百里其弟遂不復言聞者歎服以謂賢於李衛公逺矣

新字:有一朝士家蔵古鑑自言能照二百里欲因公弟献以求知其弟伺間従容言之公笑曰吾面不過楪子大安用照二百里其弟遂不復言聞者嘆服以謂賢於李衛公遠矣

書き下し

一朝士有り。家に古鑑を藏す。自ら言う、能く二百里を照らすと。公の弟に因りて獻じて以て知らるるを求めんと欲す。其の弟間を伺い、從容として之を言う。公笑いて曰く、吾が面は楪子の大きさに過ぎず。安んぞ二百里を照らすを用いんと。其の弟遂に復た言わず。聞く者歎服し、以謂えらく李衛公に賢ること逺しと。

現代語訳

ある朝廷の官人がいた。家に古い鏡を蔵していて、自分で二百里先まで照らせると言っていた。公の弟を通じて献上し、目をかけてもらおうとした。その弟は折を見て、落ち着いてそのことを話した。公は笑って言った。「私の顔は小皿ほどの大きさしかない。どうして二百里を照らす必要があろう」。弟はそれきり口にしなかった。聞いた者は感嘆し、李衛公よりはるかに賢いと言い合った。

解説

珍しい鏡を献上したいという申し出を、一行で断った条です。**私の顔は小皿ほどの大きさしかない、どうして二百里を照らす必要があろう。**贈り物の値打ちを否定していません。自分には要らないと言っただけです。断られた側も、取り次いだ弟も、これなら傷つきません。断る理由を相手の側ではなく自分の寸法に置く、という断り方の一つの型です。

この章句が説くこと

吾が面は楪子の大きさに過ぎず安んぞ二百里を照らすを用いん家に古鑑を蔵す自ら言う能く二百里を照らすと公の弟に因りて献じて以て知らるるを求めんと欲す贈答断り方分限

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