宋名臣言行録 / 前集巻一・曹彬
江南官吏親屬有為軍士所掠者王即時遣還之因大搜軍中無得匿人妻女振乏絶恤鰥寡吳人大悦及歸舟中無它物惟圖籍衣被而已
新字:江南官吏親属有為軍士所掠者王即時遣還之因大捜軍中無得匿人妻女振乏絶恤鰥寡吳人大悦及帰舟中無它物惟図籍衣被而已
書き下し
江南の官吏の親屬、軍士の掠むる所と為る者有り。王即時に之を遣還す。因りて大いに軍中を搜し、人の妻女を匿すことを得る無からしむ。乏絶を振い、鰥寡を恤む。吳人大いに悦ぶ。歸るに及び、舟中に它物無く、惟だ圖籍衣被のみ。
現代語訳
江南の官吏の身内で、兵に掠奪された者があった。王(曹彬)はただちに送り返した。そして軍中をくまなく捜し、他人の妻や娘を隠しておくことを許さなかった。困窮した者を助け、身寄りのない者をいたわった。呉の人々は大いに喜んだ。帰るとき、舟の中には他の物はなく、ただ書物と衣類と夜具だけであった。
解説
占領後の統治を五十四字で書いた条です。掠奪された身内はただちに返し、**軍中をくまなく捜して、他人の妻や娘を隠しておくことを許さなかった。**禁じただけでなく捜索まで行っています。困窮した者を助け、身寄りのない者をいたわる。そのうえで自分の舟には書物と衣類と夜具しか積まなかった。蜀のときと同じ持ち帰り方で、二度繰り返されていることが、この人の型だと分かります。
この章句が説くこと
因りて大いに軍中を捜し人の妻女を匿すことを得る無からしむ乏絶を振い鰥寡を恤む舟中に它物無く惟だ図籍衣被のみ規律点検占領
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