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甲陽軍鑑 / 品第四十三

此外七人一荻原常陸守信虎公御幼少の時弓矢の指南申し、信玄公御幼稚の時分も弓矢の物語り申上られ候、信玄公十二三の御時分常陸守七十餘にて死去也〇一板垣信形一甘利備前守一飯富兵部一原加賀守甲州たか畠の人也、子息隼人佐に常々申しおしゆるは、侍たらん者は何にても弓矢の儀に一やう得物有樣にとおしへおかるゝなり○一諸角豐後一日向大和守一小宮山丹後守○足輕衆には一橫田備中守一代之內、

新字:此外七人一荻原常陸守信虎公御幼少の時弓矢の指南申し、信玄公御幼稚の時分も弓矢の物語り申上られ候、信玄公十二三の御時分常陸守七十余にて死去也〇一板垣信形一甘利備前守一飯富兵部一原加賀守甲州たか畠の人也、子息隼人佐に常々申しおしゆるは、侍たらん者は何にても弓矢の儀に一やう得物有様にとおしへおかるゝなり○一諸角豊後一日向大和守一小宮山丹後守○足軽衆には一横田備中守一代之内、

書き下し

此外七人一荻原常陸守信虎公御幼少の時弓矢の指南申し、信玄公御幼稚の時分も弓矢の物語り申上られ候、信玄公十二三の御時分常陸守七十余にて死去也〇一板垣信形一甘利備前守一飯富兵部一原加賀守甲州たか畠の人也、子息隼人佐に常々申しおしゆるは、侍たらん者は何にても弓矢の儀に一やう得物有様にとおしへおかるゝなり○一諸角豊後一日向大和守一小宮山丹後守○足軽衆には一横田備中守一代之内、

現代語訳

この外に七人。一、荻原常陸守は信虎公の御幼少の時に弓矢の指南を申し、信玄公の御幼稚の時分にも弓矢の物語りを申し上げられ候。信玄公が十二、三の御時分、常陸守は七十余にて死去である。一、板垣信形。一、甘利備前守。一、飯富兵部。一、原加賀守は甲州高畠の人である。子息の隼人佐に常々申し教えるには、侍たらん者は、何にても弓矢の儀に一様、得物がある様にと教え置かれるのである。

解説

軍法を工夫した家老衆の名を並べる中に、原加賀守が子に常々言っていた一言が挟まれている。何でもよいから、弓矢の道でこれだけはという得物をひとつ持て。万能を求めず、ひとつに絞れという教え方が、親から子へ日常の言葉として伝わっている。万能を求めず、ひとつに絞れという教え方が、親から子へ日常の言葉として伝わっている。何でもよいから得物をひとつ持て、という。

この章句が説くこと

得物一芸家訓指南常々絞る

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