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甲陽軍鑑 / 品第四十一

信玄公敵によりて家老衆に先を被仰付是をたとへば、藥師の病ひをよくみつけてあれば樂きくまじきやうなし、其病をみしらずして藥をあたふる事は推量のあてがひなれば、病者平癒なりといへどもあやうし、そのごとくに敵の行·武篇の位をよく見すへて、我人數大將どものうちにて其はたらき得たるをみすへ、是に合事大將の肝要に工夫する所なり一信玄公侍大將衆への御仕置に、

新字:信玄公敵によりて家老衆に先を被仰付是をたとへば、薬師の病ひをよくみつけてあれば楽きくまじきやうなし、其病をみしらずして薬をあたふる事は推量のあてがひなれば、病者平癒なりといへどもあやうし、そのごとくに敵の行·武篇の位をよく見すへて、我人数大将どものうちにて其はたらき得たるをみすへ、是に合事大将の肝要に工夫する所なり一信玄公侍大将衆への御仕置に、

書き下し

信玄公敵によりて家老衆に先を被仰付是をたとへば、薬師の病ひをよくみつけてあれば楽きくまじきやうなし、其病をみしらずして薬をあたふる事は推量のあてがひなれば、病者平癒なりといへどもあやうし、そのごとくに敵の行·武篇の位をよく見すへて、我人数大将どものうちにて其はたらき得たるをみすへ、是に合事大将の肝要に工夫する所なり一信玄公侍大将衆への御仕置に、

現代語訳

信玄公は敵によって家老衆に先を仰せ付けられる。これをたとえば、薬師が病いをよく見つけてあれば、薬が効かぬはずはない。その病を見知らずして薬を与える事は推量の当てがいであるから、病者が平癒したといっても危うい。そのごとくに、敵の振る舞い・武辺の位をよく見据えて、我が人数の大将どもの内で、その働きを得意とする者を見据え、これに合わせる事が、大将の肝要に工夫する所である。

解説

人の配置を、医者の見立てにたとえている。病名が分かっていれば薬は効く、分からずに出した薬はたとえ治っても危うい。当たった配置でも、理由が言えなければ次に使えないという意味で、勝ち負けではなく見立ての有無を問うている。当たった配置でも、理由が言えなければ次に使えない。勝ち負けではなく、見立ての有無を問うという評価の仕方になっている。

この章句が説くこと

見立て配置医者推量工夫適材

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