甲陽軍鑑 / 品第四十一
信玄公敵によりて家老衆に先を被仰付是をたとへば、藥師の病ひをよくみつけてあれば樂きくまじきやうなし、其病をみしらずして藥をあたふる事は推量のあてがひなれば、病者平癒なりといへどもあやうし、そのごとくに敵の行·武篇の位をよく見すへて、我人數大將どものうちにて其はたらき得たるをみすへ、是に合事大將の肝要に工夫する所なり一信玄公侍大將衆への御仕置に、
新字:信玄公敵によりて家老衆に先を被仰付是をたとへば、薬師の病ひをよくみつけてあれば楽きくまじきやうなし、其病をみしらずして薬をあたふる事は推量のあてがひなれば、病者平癒なりといへどもあやうし、そのごとくに敵の行·武篇の位をよく見すへて、我人数大将どものうちにて其はたらき得たるをみすへ、是に合事大将の肝要に工夫する所なり一信玄公侍大将衆への御仕置に、
書き下し
信玄公敵によりて家老衆に先を被仰付是をたとへば、薬師の病ひをよくみつけてあれば楽きくまじきやうなし、其病をみしらずして薬をあたふる事は推量のあてがひなれば、病者平癒なりといへどもあやうし、そのごとくに敵の行·武篇の位をよく見すへて、我人数大将どものうちにて其はたらき得たるをみすへ、是に合事大将の肝要に工夫する所なり一信玄公侍大将衆への御仕置に、
現代語訳
信玄公は敵によって家老衆に先を仰せ付けられる。これをたとえば、薬師が病いをよく見つけてあれば、薬が効かぬはずはない。その病を見知らずして薬を与える事は推量の当てがいであるから、病者が平癒したといっても危うい。そのごとくに、敵の振る舞い・武辺の位をよく見据えて、我が人数の大将どもの内で、その働きを得意とする者を見据え、これに合わせる事が、大将の肝要に工夫する所である。
解説

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『甲陽軍鑑』品第四十此体なる家中はかならず大将たはけて、内の者まかせと分別仕れとて信玄公各家老衆へ仰せわたさるゝなり、
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『甲陽軍鑑』品第四十三第三に国持大将のつよ過たるも色こそかはり候へ、右二ケ条の無案内に同前なる子細は、卒爾のはたらきをもつて、よき家老は尽くうしなひ、其家生れかはりの無案内者どもおほうして、よろづ僉議区々なれば、備へ違ひて其大将終にはほろび給ふべきなり、いづれの道にても勝利を失ひ、国郡を敵にとられては、よはくしてかすめらるゝも、つようしてほろぶるもひとつ道理なり、それがし死後に、此儀勝頼公へよく〳〵いさめ御申上なさるべきなり長坂長閑老跡部大炊助殿参△武田信玄公御家老軍法工夫之衆侍大将に八人、
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『甲陽軍鑑』品第四十二将棋頭人数立の事一高坂弾正篝ひきやくの事備へみの手なりの事七一旗本大陣取は原隼人あひてに被成信玄公御工夫なり、同五人組にして三万千五百と組あはせなさるゝ、縦へば卅七万五千迄もなるべき也、又大軍·小軍·大旗是れは馬塲美濃御挨拶人にて、是れも信玄公御工夫なり、此外も信玄公御工夫多けれ共、みな家老衆の分別とある上意は、
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