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甲陽軍鑑 / 品第六

其四年にあたつて、信玄公十六の御年信州海野口にて、父信虎公八千の人數をもつてせめ給へども、次第に城强して不落、然る所に信玄公はかりことのつもりをもつて、三百計の人數にて速にのりとり給ふ一長尾謙信輝虎公十三の御年仰らるゝは、

新字:其四年にあたつて、信玄公十六の御年信州海野口にて、父信虎公八千の人数をもつてせめ給へども、次第に城强して不落、然る所に信玄公はかりことのつもりをもつて、三百計の人数にて速にのりとり給ふ一長尾謙信輝虎公十三の御年仰らるゝは、

書き下し

其四年にあたつて、信玄公十六の御年信州海野口にて、父信虎公八千の人数をもつてせめ給へども、次第に城强して不落、然る所に信玄公はかりことのつもりをもつて、三百計の人数にて速にのりとり給ふ一長尾謙信輝虎公十三の御年仰らるゝは、

現代語訳

その四年にあたって、信玄公十六の御年、信州海野口にて、父の信虎公が八千の人数をもって攻められたけれども、次第に城が強くなって落ちない。そうしたところに、信玄公が計略の積もりをもって、三百ばかりの人数で速やかに乗っ取られた。一、長尾謙信輝虎公が十三の御年に仰せられるには、

解説

父の八千が落とせなかった城を、十六歳が三百で乗っ取る。人数を足すのではなく、攻め疲れて油断した頃合いを計るという、この書が繰り返す考え方の最初の実例である。前の蛤の話とつながっていて、数を数えられる者が数の少なさで勝つ。数を数えられる者が、数の少なさで勝つ。人数を足すのではなく、攻め疲れて油断した頃合いを計るという考え方の、最初の実例である。

この章句が説くこと

海野口計略寡兵信玄初陣城攻め

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