甲陽軍鑑 / 品第四十八
信玄公聞召被仰出は此坊主共皆日蓮宗か、法華修行の僧ならば不苦仔細は則ち法華經に、貴賤上下持戒毀戒威儀具足正見利根鈍根等雨法雨と有、此經は貴きも賤きも高も低も戒を持も戒を破るも、けさをかくるも、及かけざるも直成も邪成も利根成も等しき法の雨を降すとあり、法の雨とは佛に成事也、さあれば出家も俗も佛に成所別事なくば不苦殊に法華の坊主は我得經をかさにきての事也、密懷にてなくは日蓮宗、女房持儀不苦、免してもたせよとの御事也、
新字:信玄公聞召被仰出は此坊主共皆日蓮宗か、法華修行の僧ならば不苦仔細は則ち法華経に、貴賤上下持戒毀戒威儀具足正見利根鈍根等雨法雨と有、此経は貴きも賤きも高も低も戒を持も戒を破るも、けさをかくるも、及かけざるも直成も邪成も利根成も等しき法の雨を降すとあり、法の雨とは仏に成事也、さあれば出家も俗も仏に成所別事なくば不苦殊に法華の坊主は我得経をかさにきての事也、密懐にてなくは日蓮宗、女房持儀不苦、免してもたせよとの御事也、
書き下し
信玄公聞召被仰出は此坊主共皆日蓮宗か、法華修行の僧ならば不苦仔細は則ち法華経に、貴賤上下持戒毀戒威儀具足正見利根鈍根等雨法雨と有、此経は貴きも賤きも高も低も戒を持も戒を破るも、けさをかくるも、及かけざるも直成も邪成も利根成も等しき法の雨を降すとあり、法の雨とは仏に成事也、さあれば出家も俗も仏に成所別事なくば不苦殊に法華の坊主は我得経をかさにきての事也、密懐にてなくは日蓮宗、女房持儀不苦、免してもたせよとの御事也、
現代語訳
信玄公が聞こし召し仰せ出だされるは、この坊主どもは皆日蓮宗か。法華修行の僧ならば苦しからず。子細は、すなわち法華経に、貴賤上下、持戒毀戒、威儀具足、正見、利根鈍根に等しく法の雨を雨らすとあり。この経は、貴きも賤きも、高きも低きも、戒を持つも戒を破るも、袈裟を掛くるも、および掛けざるも、直なるも邪なるも利根なるも、等しき法の雨を降らすとあり。法の雨とは仏に成る事なり。さあれば、出家も俗も仏に成る所に別事なくば苦しからず。ことに法華の坊主は、我が得経を笠に着ての事なり。密懐にてなくは日蓮宗、女房を持つ儀は苦しからず。許して持たせよとの御事なり。
解説

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