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甲陽軍鑑 / 品第四十八

右の辻六郞兵衛武邊二十八度の塲數にて、御證文十七給はるとあるは首尾不合のやうなれども、惣別武邊十度の塲數には證文下さるゝほどなるは二度相おほくして、三度ならでなき物なれども、此辻彌兵衞がはたらきは十度の內九度は非だちのいらざるつよみなり、さるほどに辻彌兵衞差物はあかねのふきぬき、和田加介は白き練のふきぬきにて山縣同心の内にて若手には辻彌兵衛·和田加介兩人なり、又長坂宮内左衞門·今福求ノ介是兩人も若手の武士なり、

新字:右の辻六郎兵衛武辺二十八度の塲数にて、御證文十七給はるとあるは首尾不合のやうなれども、惣別武辺十度の塲数には證文下さるゝほどなるは二度相おほくして、三度ならでなき物なれども、此辻弥兵衛がはたらきは十度の内九度は非だちのいらざるつよみなり、さるほどに辻弥兵衛差物はあかねのふきぬき、和田加介は白き練のふきぬきにて山県同心の内にて若手には辻弥兵衛·和田加介両人なり、又長坂宮内左衛門·今福求ノ介是両人も若手の武士なり、

書き下し

右の辻六郎兵衛武辺二十八度の塲数にて、御證文十七給はるとあるは首尾不合のやうなれども、惣別武辺十度の塲数には證文下さるゝほどなるは二度相おほくして、三度ならでなき物なれども、此辻弥兵衛がはたらきは十度の内九度は非だちのいらざるつよみなり、さるほどに辻弥兵衛差物はあかねのふきぬき、和田加介は白き練のふきぬきにて山県同心の内にて若手には辻弥兵衛·和田加介両人なり、又長坂宮内左衛門·今福求ノ介是両人も若手の武士なり、

現代語訳

右の辻六郎兵衛は武辺二十八度の場数にて、御証文を十七給わるとあるは首尾不合のようであれども、総別、武辺十度の場数には証文を下さるるほどなるは二度が相多くして、三度ならでなき物なれども、この辻弥兵衛の働きは、十度の内九度は非立ちの要らざる強みである。さるほどに、辻弥兵衛の差物は茜の吹貫、和田加介は白き練りの吹貫にて、山県同心の内にて若手には辻弥兵衛・和田加介の両人なり。

解説

十度の場数で証文が出るのはせいぜい二度か三度が普通だという相場を示したうえで、この人は十度のうち九度が言い訳の要らない働きだったと数える。数が少ないことの中身を、割合で説明している。数が少ないことの中身を、割合で説明している。十度の場数で証文が二度三度というのが相場で、この人は十度のうち九度が言い訳の要らない働きだった。

この章句が説くこと

場数証文割合相場非立ち

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