甲陽軍鑑 / 品第四十七
うへよりはやく御尋ね候へば、三人の衆は左右なう申しあげ得ず、其中に櫻井殿御身ちかき人にてましませば、さのみ憚る事もなく、なみだをながし曲淵が公事の次第、又雜言の樣子つまびらかに言上申されて、彼の曲淵を御成敗無之候に付ては我等共公事など承り候事をば御赦免なさるべきよし、たつて申上られ候、信玄公聞し召し、尤も其方道理至極に候、
新字:うへよりはやく御尋ね候へば、三人の衆は左右なう申しあげ得ず、其中に桜井殿御身ちかき人にてましませば、さのみ憚る事もなく、なみだをながし曲淵が公事の次第、又雑言の様子つまびらかに言上申されて、彼の曲淵を御成敗無之候に付ては我等共公事など承り候事をば御赦免なさるべきよし、たつて申上られ候、信玄公聞し召し、尤も其方道理至極に候、
書き下し
うへよりはやく御尋ね候へば、三人の衆は左右なう申しあげ得ず、其中に桜井殿御身ちかき人にてましませば、さのみ憚る事もなく、なみだをながし曲淵が公事の次第、又雑言の様子つまびらかに言上申されて、彼の曲淵を御成敗無之候に付ては我等共公事など承り候事をば御赦免なさるべきよし、たつて申上られ候、信玄公聞し召し、尤も其方道理至極に候、
現代語訳
上より早く御尋ね候えば、三人の衆は左右なう申し上げ得ず。その中に桜井殿は御身近き人にてましませば、さのみ憚る事もなく、涙を流し、曲淵の公事の次第、また雑言の様子をつまびらかに言上申されて、かの曲淵を御成敗これなく候につきては、我らども公事など承り候事をば御赦免なさるべきよし、たって申し上げられ候。信玄公が聞こし召し、もっともその方の道理は至極に候。
解説
三人は言い出せず、一人が涙ながらに一部始終を述べ、あの男を成敗しないのなら自分たちは奉行の役を降ろしてくれと迫る。裁く役の者が、裁けないなら役を返すという形で訴えている。裁く役の者が、裁けないなら役を返すという形で訴えている。三人は言い出せず、一人が涙ながらに述べて、成敗しないなら奉行を降ろしてくれと迫っている。
この章句が説くこと
桜井言上辞任筋奉行曲淵
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