甲陽軍鑑 / 品第四十七
四人の者共懷より連判の起請を取りいだし、其上方兄弟がさやうに申すべきと思ひ、如此誓紙を仕たりとて、兄弟の者に見する其比樣々兩方申しけれ共、誓紙のうへなれば終に四人申し勝ち、四人の申すもことわりなり、是迄來り男をたてん者、本人の歸れと云ふとて、もどりて侍が何方にておとこせんや、
新字:四人の者共懐より連判の起請を取りいだし、其上方兄弟がさやうに申すべきと思ひ、如此誓紙を仕たりとて、兄弟の者に見する其比様々両方申しけれ共、誓紙のうへなれば終に四人申し勝ち、四人の申すもことわりなり、是迄来り男をたてん者、本人の帰れと云ふとて、もどりて侍が何方にておとこせんや、
書き下し
四人の者共懐より連判の起請を取りいだし、其上方兄弟がさやうに申すべきと思ひ、如此誓紙を仕たりとて、兄弟の者に見する其比様々両方申しけれ共、誓紙のうへなれば終に四人申し勝ち、四人の申すもことわりなり、是迄来り男をたてん者、本人の帰れと云ふとて、もどりて侍が何方にておとこせんや、
現代語訳
四人の者どもは懐より連判の起請を取り出し、そのうえ、兄弟がさように申すべきと思い、このとおり誓紙をいたしたりとて、兄弟の者に見せる。その頃、さまざま両方が申しけれども、誓紙のうえなれば、ついに四人が申し勝つ。四人の申すももっともである。ここまで来て男を立てん者が、本人の帰れと言うとて、戻って侍がいずかたにて男せんや。
解説
断られることを見越して、四人はあらかじめ連判の誓紙を書いて懐に入れてきていた。誓いを立てた以上は引けないと押し切る。ここまで来て帰れば、どこで男を立てるのかという一言で決まっている。ここまで来て帰れば、どこで男を立てるのかという一言で決まっている。断られることを見越して、連判の誓紙を懐に入れて来ていた。
この章句が説くこと
起請誓紙連判退路友男
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