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甲陽軍鑑 / 品第四十七

さて其後武かさ與一郞方々へありき、志村金ノ介が中間大剛者にて金ノ介しあましたるを、我等が仕出してくれ候故、如此手おふたるとて、島の湯なとにて股の疵少しのあとを諸人に見する故、志村金ノ助是をきゝ、大なるいひ事になる、されども志村金ノ介おぼへの者のすぢなれば、

新字:さて其後武かさ与一郎方々へありき、志村金ノ介が中間大剛者にて金ノ介しあましたるを、我等が仕出してくれ候故、如此手おふたるとて、島の湯なとにて股の疵少しのあとを諸人に見する故、志村金ノ助是をきゝ、大なるいひ事になる、されども志村金ノ介おぼへの者のすぢなれば、

書き下し

さて其後武かさ与一郎方々へありき、志村金ノ介が中間大剛者にて金ノ介しあましたるを、我等が仕出してくれ候故、如此手おふたるとて、島の湯なとにて股の疵少しのあとを諸人に見する故、志村金ノ助是をきゝ、大なるいひ事になる、されども志村金ノ介おぼへの者のすぢなれば、

現代語訳

さてその後、武笠与一郎が方々へ歩き、志村金ノ介の中間は大剛者にて金ノ介が仕り余したのを、我らが仕出してくれ候ゆえに、このとおり手を負うたとて、島の湯などにて股の疵の少しの跡を諸人に見せるゆえに、志村金ノ助がこれを聞き、大きなる言い事になる。されども志村金ノ介は覚えの者の筋であれば。

解説

助けられた側が、あちこちで手柄話をして回る。あなたの手に余った相手を私が片付けてやったのだ、と言い、湯屋で小さな傷跡を見せる。看病された恩が、語られるうちに逆向きの話になっていく。看病された恩が、語られるうちに逆向きの話になっていく。湯屋で小さな傷跡を見せるという細部が、この人物の底を見せている。同じ出来事でも、誰が語るかで別の話になってしまうという例である。
『人生の方程式』の表紙

人生を、一行の式にしてみた。

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この章句が説くこと

武笠志村手柄話疵湯言い事

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