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甲陽軍鑑 / 品第四十

然れば其春東美濃へ發向なさるゝ時、三月十五日前十四日に我等をめしよせられ、信州勢一萬五千の人數あづくる間、手につけて北越の輝虎おさへ候へと有て信玄公御諚に、我煩ひさへ如此平愈ならば來年中に都に旗を立ん、さありて天下の仕置とは都をさして申いはれは、日本の主帝王の御座なさるゝ故なり、

新字:然れば其春東美濃へ発向なさるゝ時、三月十五日前十四日に我等をめしよせられ、信州勢一万五千の人数あづくる間、手につけて北越の輝虎おさへ候へと有て信玄公御諚に、我煩ひさへ如此平愈ならば来年中に都に旗を立ん、さありて天下の仕置とは都をさして申いはれは、日本の主帝王の御座なさるゝ故なり、

書き下し

然れば其春東美濃へ発向なさるゝ時、三月十五日前十四日に我等をめしよせられ、信州勢一万五千の人数あづくる間、手につけて北越の輝虎おさへ候へと有て信玄公御諚に、我煩ひさへ如此平愈ならば来年中に都に旗を立ん、さありて天下の仕置とは都をさして申いはれは、日本の主帝王の御座なさるゝ故なり、

現代語訳

しかれば、その春に東美濃へ発向なされる時、三月十五日の前、十四日に我らを召し寄せられ、信州勢一万五千の人数を預けるあいだ、手に付けて北越の輝虎を押さえ候えとあって、信玄公の御諚に、我が煩いさえこの分に平癒ならば、来年中に都に旗を立てん。そうであって、天下の仕置きとは都をさして申す。いわれは、日本の主、帝王の御座なされるゆえである。

解説

天下という言葉を、都のことだと言い定める。理由は、そこに帝がおられるからだという。国を何か国取ったかという話をずっと重ねてきたその同じ口で、天下は広さではなく都だと限っているところが目を引く。国を何か国取ったかという話をずっと重ねてきたその同じ口で、天下は広さではなく都だと限っているところが目を引く。理由は帝がおられるからである。

この章句が説くこと

天下帝王仕置信玄発向

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