甲陽軍鑑 / 品第四十
一高坂が云く、人の人を馳走して惡き事三ツあり、一ツに醫者知らずして藥くるゝ事、二ツに過馬人にのする事、三ッに鰒の振舞、此三ヶ條にて傍輩にけがあらば、腹を切らずば見苦しからん、又死ぬるもいな物なれば所詮是は連々遠慮尤も也、
新字:一高坂が云く、人の人を馳走して悪き事三ツあり、一ツに医者知らずして薬くるゝ事、二ツに過馬人にのする事、三ッに鰒の振舞、此三ヶ条にて傍輩にけがあらば、腹を切らずば見苦しからん、又死ぬるもいな物なれば所詮是は連々遠慮尤も也、
書き下し
一高坂が云く、人の人を馳走して悪き事三ツあり、一ツに医者知らずして薬くるゝ事、二ツに過馬人にのする事、三ッに鰒の振舞、此三ヶ条にて傍輩にけがあらば、腹を切らずば見苦しからん、又死ぬるもいな物なれば所詮是は連々遠慮尤も也、
現代語訳
一、高坂が言うには、人が人を馳走して悪い事が三つある。一つに、医者でもないのに薬をくれる事。二つに、過ぎた馬を人に乗せる事。三つに、鰒の振舞い。この三か条で傍輩に怪我があらば、腹を切らずば見苦しかろう。また死ぬるもいやなものであれば、所詮これは連々に遠慮がもっともである。
解説
もてなしのつもりでしてはならない事が三つ挙がる。素人の薬、手に余る馬、そして鰒。どれも相手が死にかねず、そうなれば出した側が腹を切ることになる。好意でしている事の後始末まで数えて、初めから慎めと結んでいる。好意でしている事の後始末まで数えて、初めから慎めと結んでいる。素人の薬、手に余る馬、そして鰒。どれも相手が死にかねない。
この章句が説くこと
馳走薬馬鰒遠慮好意
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