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墨子 / 貴義

子墨子曰:商人之四方,市賈信徙,雖有關梁之難、盜賊之危,必為之。今士坐而言義,無關梁之難、盜賊之危,此為信徙不可勝計,然而不為。士之計利,不若商人之察也。

新字:子墨子曰:商人之四方,市賈信徙,雖有関梁之難、盗賊之危,必為之。今士坐而言義,無関梁之難、盗賊之危,此為信徙不可勝計,然而不為。士之計利,不若商人之察也。

書き下し

子墨子曰く、商人の四方にするや、市賈、信に徙る。關梁の難、盜賊の危有りと雖も、必ず之を為す。今、士は坐して義を言う。關梁の難、盜賊の危無し。此れ信に徙るを為すこと勝げて計う可からず。然り而して為さず。士の利を計るは、商人の察に若かざるなり。

現代語訳

墨子が言った。商人が四方に出かけるとき、市場の値は倍にもなる。関所の困難や盗賊の危険があっても、必ず出かける。いま士は座ったまま義を語る。関所の困難も盗賊の危険もない。これで得られる利は数え切れないほどである。それなのに行わない。士が利を計算するのは、商人がよく見きわめるのに及ばない。

解説

商人は危険を冒しても利のあるほうへ動くのに、士は危険がないのに動かない。損得の計算という一点で、商人のほうが正確だという比較です。墨子は義を利と重ねて扱うので、この比較が成り立ちます。やらない理由を危険に求めるとき、本当に危険があるのかを問い直させる一段です。動かない理由は、多くの場合、危険ではなく面倒です。

この章句が説くこと

損得行動危険商人計算

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