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甲陽軍鑑 / 品第四十

女人のかざりて心いつはる事につき、惠林寺快川和尙·知勝國師尊意を得奉る、其歌に、鳥の子を十づゝ十はかさぬとも女に心ゆるす可らず、と有はまつむかし坂東八ケ國のあるじ將門公を俵藤太討ち奉るに將門若君の御乳人に俵藤太はかりごとをもつて文を通はせ、ちぎりをこめて將門の七人に變じ給ふ、其いきをしるべとせよと右の御乳人にをしへられ、弓箭をもつて俵藤太將門を射殺し奉る、

新字:女人のかざりて心いつはる事につき、恵林寺快川和尚·知勝国師尊意を得奉る、其歌に、鳥の子を十づゝ十はかさぬとも女に心ゆるす可らず、と有はまつむかし坂東八ケ国のあるじ将門公を俵藤太討ち奉るに将門若君の御乳人に俵藤太はかりごとをもつて文を通はせ、ちぎりをこめて将門の七人に変じ給ふ、其いきをしるべとせよと右の御乳人にをしへられ、弓箭をもつて俵藤太将門を射殺し奉る、

書き下し

女人のかざりて心いつはる事につき、恵林寺快川和尚·知勝国師尊意を得奉る、其歌に、鳥の子を十づゝ十はかさぬとも女に心ゆるす可らず、と有はまつむかし坂東八ケ国のあるじ将門公を俵藤太討ち奉るに将門若君の御乳人に俵藤太はかりごとをもつて文を通はせ、ちぎりをこめて将門の七人に変じ給ふ、其いきをしるべとせよと右の御乳人にをしへられ、弓箭をもつて俵藤太将門を射殺し奉る、

現代語訳

女人が飾って心を偽る事につき、恵林寺の快川和尚・知勝国師の尊意を得たてまつる。その歌に、鳥の子を十づつ十は重ぬとも女に心許すべからず、とあるのは、まず昔、坂東八か国の主である将門公を俵藤太が討ちたてまつるに、将門の若君の御乳人に俵藤太が謀をもって文を通わせ、契りを込めて、将門が七人に変じ給う、その息を知るべとせよと右の御乳人に教えられ、弓箭をもって俵藤太が将門を射殺したてまつる。

解説

卵を十ずつ十段に積み上げることはできても、女に心を許してはならないという歌を引く。証しに、将門の乳人が俵藤太と通じ、影武者の見分け方を教えたために将門が討たれた話が置かれる。歌の断定を、一つの逸話で支える形になっている。歌の断定を、一つの逸話で支える形になっている。将門の乳人が影武者の見分け方を教えたために討たれた、という具体が置かれている。
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この章句が説くこと

将門俵藤太乳人歌快川内通

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