甲陽軍鑑 / 品第四十
一もろが入道が云はく、國三ケ國をももち給ふ大將の下に奉公人その色々多し、一にふだい衆大身·小身共に、二に先方衆大身·小身共に、三には前方衆の中に忠節人大身·小身共に、四に降參の侍是れは大身斗りに有り、小身者は皆先方衆と申候、如此の儀國持大將よその國を一ツも二ツも或は三ツきり取りて仕置の時我譜代の衆斗りにてもならねば其國の侍を樣子品々によりかこへ給ふ時の事也、五に旗下と云ふは國半國から一國·二ヶ國の大將を云ふ、六に國持と國持が兩方無事をば、たがひにみかたと云ふ、
新字:一もろが入道が云はく、国三ケ国をももち給ふ大将の下に奉公人その色々多し、一にふだい衆大身·小身共に、二に先方衆大身·小身共に、三には前方衆の中に忠節人大身·小身共に、四に降参の侍是れは大身斗りに有り、小身者は皆先方衆と申候、如此の儀国持大将よその国を一ツも二ツも或は三ツきり取りて仕置の時我譜代の衆斗りにてもならねば其国の侍を様子品々によりかこへ給ふ時の事也、五に旗下と云ふは国半国から一国·二ヶ国の大将を云ふ、六に国持と国持が両方無事をば、たがひにみかたと云ふ、
書き下し
一もろが入道が云はく、国三ケ国をももち給ふ大将の下に奉公人その色々多し、一にふだい衆大身·小身共に、二に先方衆大身·小身共に、三には前方衆の中に忠節人大身·小身共に、四に降参の侍是れは大身斗りに有り、小身者は皆先方衆と申候、如此の儀国持大将よその国を一ツも二ツも或は三ツきり取りて仕置の時我譜代の衆斗りにてもならねば其国の侍を様子品々によりかこへ給ふ時の事也、五に旗下と云ふは国半国から一国·二ヶ国の大将を云ふ、六に国持と国持が両方無事をば、たがひにみかたと云ふ、
現代語訳
一、室が入道が言うには、国を三か国も持ち給う大将の下に、奉公人はその色々が多い。一に譜代衆、大身・小身ともに。二に先方衆、大身・小身ともに。三には先方衆の中の忠節人、大身・小身ともに。四に降参の侍、これは大身ばかりにある。小身者はみな先方衆と申し候。このような儀は、国持ちの大将がよその国を一つも二つも、あるいは三つ切り取って仕置きの時、我が譜代の衆ばかりでもならなければ、その国の侍を様子品々によって囲い給う時の事である。五に旗下と言うのは、国半国から一国・二か国の大将を言う。六に国持ちと国持ちが両方無事なのを、互いに味方と言う。
解説

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