甲陽軍鑑 / 品第四十
以上一右はなしうちの者、家の內或はそとにても、各かこりぬる所へ誰にても最前にかこつて切りむすび、かこつゝひきつ、みだれて勝負をするに、脇からも、うしろからも別人よりて刀又は長道具·弓などにてそのとが人を殺し候はゞ、定てころしたる人、是をしとめてありとあるは大きに非儀なり、子細は人のよりかぬるをぬき出かこる心はすぐれたり、其上人のきりあふ所へ、よこからも、うしろからもかこりてはしよからん、
新字:以上一右はなしうちの者、家の内或はそとにても、各かこりぬる所へ誰にても最前にかこつて切りむすび、かこつゝひきつ、みだれて勝負をするに、脇からも、うしろからも別人よりて刀又は長道具·弓などにてそのとが人を殺し候はゞ、定てころしたる人、是をしとめてありとあるは大きに非儀なり、子細は人のよりかぬるをぬき出かこる心はすぐれたり、其上人のきりあふ所へ、よこからも、うしろからもかこりてはしよからん、
書き下し
以上一右はなしうちの者、家の内或はそとにても、各かこりぬる所へ誰にても最前にかこつて切りむすび、かこつゝひきつ、みだれて勝負をするに、脇からも、うしろからも別人よりて刀又は長道具·弓などにてそのとが人を殺し候はゞ、定てころしたる人、是をしとめてありとあるは大きに非儀なり、子細は人のよりかぬるをぬき出かこる心はすぐれたり、其上人のきりあふ所へ、よこからも、うしろからもかこりてはしよからん、
現代語訳
右の話し討ちの者が、家の内あるいは外でも、それぞれ籠もった所へ誰でも最前に掛かって斬り結び、掛かりつ引きつ、乱れて勝負をするのに、脇からも後ろからも別人が寄って、刀または長道具・弓などでその科人を殺したならば、きっと殺した人が、これを仕留めたと言うのは大いに非儀である。子細は、人が寄りかねるのを抜き出して掛かる心はすぐれている。そのうえ人の斬り合う所へ、横からも後ろからも掛かっては仕やすかろう。
解説
この章句が説くこと
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説苑・善說齊景公子貢に謂いて曰く、「子誰をか師とする。」曰く、「臣仲尼を師とす。」公曰く、「仲尼賢なるか。」對えて曰く、「賢なり。」公曰く、「其の賢たること何如。」對えて曰く、「知らざるなり。」公曰く、「子其の賢を知りて其の奚若たるを知らざるは、可ならんか。」對えて曰く、「今天高しと謂うに、少長愚智と無く皆高きを知る。高きこと幾何ぞや。皆知らずと曰う。是を以て仲尼の賢を知りて其の奚若たるを知らざるなり。」
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論語・子張篇子游曰く、吾が友張や、能くし難きことを為すなり。然れども未だ仁ならず。
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史記 管晏列伝鮑叔既に管仲を進め、身を以て之に下る。子孫世々斉に禄せられ、封邑を有つこと十余世、常に名大夫為り。天下、管仲の賢を多とせずして、鮑叔の能く人を知るを多とす。
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論語・子張篇陳子禽、子貢に謂いて曰く、「子は恭を為すなり。仲尼豈に子より賢らんや。」子貢曰く、「君子は一言以て知と為し、一言以て不知と為す。言は慎まざる可からざるなり。夫子の及ぶ可からざるや、猶お天の階して升る可からざるがごときなり。夫子の邦家を得たらば、所謂『之を立つれば斯に立ち、之を道けば斯に行き、之を綏んずれば斯に来たり、之を動かせば斯に和す。其の生くるや栄え、其の死するや哀しむ』。之を如何ぞ其れ及ぶ可けんや。」