甲陽軍鑑 / 品第四十
しらずしてもちたるを、我はよきとしりても又いひこなしてとる事、第十一に出家·町人·百姓にあふて、かさつを申す事、第十二に少しの心ばせをいたし、五百·千の中にも一二人にすぐれたるやうに存知、過言申す事、第十三に武士が町人の金銀澤山に持ちたるを見、いれむこになる事、但し女人定能は又めかけなどにはくるしからざるが、ほんの內かたには大きに勿体なし、
新字:しらずしてもちたるを、我はよきとしりても又いひこなしてとる事、第十一に出家·町人·百姓にあふて、かさつを申す事、第十二に少しの心ばせをいたし、五百·千の中にも一二人にすぐれたるやうに存知、過言申す事、第十三に武士が町人の金銀沢山に持ちたるを見、いれむこになる事、但し女人定能は又めかけなどにはくるしからざるが、ほんの内かたには大きに勿体なし、
書き下し
しらずしてもちたるを、我はよきとしりても又いひこなしてとる事、第十一に出家·町人·百姓にあふて、かさつを申す事、第十二に少しの心ばせをいたし、五百·千の中にも一二人にすぐれたるやうに存知、過言申す事、第十三に武士が町人の金銀沢山に持ちたるを見、いれむこになる事、但し女人定能は又めかけなどにはくるしからざるが、ほんの内かたには大きに勿体なし、
現代語訳
知らないで持っていたのを、自分はよいと知っていながら、また言いこなして取る事。第十一に、出家・町人・百姓に会ってがさつを申す事。第十二に、少しの心ばえをいたして、五百・千の中でも一、二人にすぐれたように存じて過言を申す事。第十三に、武士が町人の金銀を沢山に持っているのを見て入り婿になる事。ただし女人の定めがよいのは、また妾などには苦しくないが、本当の内方には大いにもったいない。
解説
十六か条の続き。相手の目利きの甘さにつけこんで安く買い取ること、身分の下の者にだけ荒い言葉を使うこと、少しの手柄で過言を吐くこと、そして金目当ての入り婿。妾なら構わないが正妻となると別だ、という但し書きまで付いている。妾なら構わないが正妻となると別だ、という但し書きまで付いている。相手の甘さにつけこむ買い方や、下の者にだけ荒くなる口が挙げられる。
この章句が説くこと
不覚がさつ過言入婿金身分
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