甲陽軍鑑 / 品第四十
扨人によつてこはきかと思へば、うそをつき、よき武士をそねみ、よろづ無案內にて、ゑりに付さやうありて、又其人うでだてをし、いかにもきすくを立らるゝ、此人をさして中のにへぬ人と申べきなり、
新字:扨人によつてこはきかと思へば、うそをつき、よき武士をそねみ、よろづ無案内にて、ゑりに付さやうありて、又其人うでだてをし、いかにもきすくを立らるゝ、此人をさして中のにへぬ人と申べきなり、
書き下し
扨人によつてこはきかと思へば、うそをつき、よき武士をそねみ、よろづ無案内にて、ゑりに付さやうありて、又其人うでだてをし、いかにもきすくを立らるゝ、此人をさして中のにへぬ人と申べきなり、
現代語訳
さて人によっては、硬いかと思えば嘘をつき、よい武士を嫉み、万事に不案内で、襟に付いてそのようであって、またその人は腕立てをし、いかにも気丈を立てられる。この人を指して、中の煮えぬ人と申すべきである。
解説
前段の飯のたとえの、下手に炊いた側。硬く見えるのに嘘をつき、よい者を嫉み、実は何も知らない。それでいて腕っぷしと気丈さだけは立てる。硬さも柔らかさも本物ではないという意味で、中の煮えていない飯だとされる。硬さも柔らかさも本物ではないという意味で、中の煮えていない飯だとされる。腕っぷしと気丈さだけを立てるところが、いちばん厄介である。
この章句が説くこと
中の煮えぬ嘘嫉腕立て人物見分け
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