孔子家語 / 曲禮子貢問
有若問於孔子曰:「國君之於百姓,如之何?」孔子曰:「皆有宗道焉,故雖國君之尊,猶百姓不廢其親,所以崇愛也。雖以族人之親,而不敢戚君,所以謙也。」
新字:有若問於孔子曰:「国君之於百姓,如之何?」孔子曰:「皆有宗道焉,故雖国君之尊,猶百姓不廃其親,所以崇愛也。雖以族人之親,而不敢戚君,所以謙也。」
書き下し
有若、孔子に問いて曰く、「国君の百姓に於けるや、之を如何にせん」と。孔子曰く、「皆宗道有り、故に国君の尊きと雖も、猶お百姓其の親を廃せざるは、愛を崇ぶ所以なり。族人の親を以てすと雖も、敢えて君に戚しまざるは、謙なる所以なり」と。
現代語訳
有若が孔子に「国君と同族の一般の民との関係は、どのようにあるべきでしょうか」と尋ねた。孔子は答えた。「両者にはともに宗族としてのつながりの道が存在する。だから国君がどれほど尊い立場にあっても、同族の民は自らの親族としてのつながりを廃することはない。これは血のつながりへの敬愛を大切にするためだ。一方で、たとえ同族としての親しみがあっても、民の側からあえて君主に馴れ馴れしくすることはない。これは謙譲を守るためである。」
解説
国君と同族の一般の民との間には、身分の上下がありながらも、なお同族としての血縁のつながりが存在します。孔子は、身分に関わらず一族としてのつながりを大切にすることは血縁への敬愛を重んじる姿勢であるとし、その一方で、民の側が身分の違いを越えて君主に馴れ馴れしく振る舞わないことは謙譲の美徳であるとしています。血縁の情と身分の別という一見矛盾しうる二つの価値を、それぞれ「崇愛」と「謙」という異なる徳目として両立させる考え方が示されており、身分制社会における同族関係の理想的なあり方を説いています。
この章句が説くこと
有若宗道崇愛謙譲
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