孔子家語 / 曲禮子貢問
孔子適季氏,康子晝居內寢。孔子問其所疾。康子出見之。言終,孔子退。子貢問曰:「季孫不疾而問諸疾,禮與?」孔子曰:「夫禮,君子不有大故,則不宿於外。非致齊也,非疾也,則不晝處於內。是故夜居外,雖吊之,可也。晝居於內,雖問其疾,可也。」
新字:孔子適季氏,康子昼居内寝。孔子問其所疾。康子出見之。言終,孔子退。子貢問曰:「季孫不疾而問諸疾,礼与?」孔子曰:「夫礼,君子不有大故,則不宿於外。非致斉也,非疾也,則不昼処於内。是故夜居外,雖吊之,可也。昼居於内,雖問其疾,可也。」
書き下し
孔子、季氏に適く、康子昼、内寝に居る。孔子其の疾む所を問う。康子出でて之に見ゆ。言終わりて、孔子退く。子貢問いて曰く、「季孫疾まざるに諸を疾に問うは、礼か」と。孔子曰く、「夫れ礼、君子大故有るに非ざれば、則ち外に宿せず。斉を致すに非ざるなり、疾に非ざるなり、則ち昼内に処らず。是の故に夜外に居らば、之を吊うと雖も、可なり。昼内に居らば、其の疾を問うと雖も、可なり」と。
現代語訳
孔子が季氏のもとを訪ねると、康子(季氏の当主)は昼間なのに寝室にこもっていた。孔子は病気かどうかを尋ねた。康子は出てきて孔子に会った。用件を話し終えると、孔子は退出した。子貢が「季孫は病気でもないのに、病気について尋ねられたのは礼にかなっているのですか」と尋ねた。孔子は答えた。「礼では、君子は重大な理由がなければ外泊しない。斎戒でもなく病気でもなければ、昼間に寝室にこもったりしない。だから夜に外にいた者には、たとえ弔問であっても構わない。昼間に寝室にいた者には、たとえ病気を見舞う言葉をかけても構わないのだ。」
解説
昼間に理由もなく寝室にこもるのは礼にかなわない振る舞いですが、孔子はそれを直接非難するのではなく、あえて「病気ですか」と尋ねる形で暗にたしなめています。礼の本来の規定(重大事や斎戒・病気以外は昼に寝所にこもらない)を踏まえたうえで、実際には礼にそぐわない行動をとっている相手に対し、角を立てずに礼の原則を思い出させるという、孔子の柔軟な対応の仕方が示されています。直接的な叱責よりも婉曲な問いかけによって相手に気づかせる手法は、対人関係における配慮の一例として参考になります。
この章句が説くこと
季康子昼居内寝礼の規定婉曲な諫言
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