孔子家語 / 七十二弟子解
公析哀,齊人,字季沉。鄙天下多仕於大夫家者,是故未嘗屈節人臣。孔子特嘆貴之。
新字:公析哀,斉人,字季沉。鄙天下多仕於大夫家者,是故未嘗屈節人臣。孔子特嘆貴之。
書き下し
公析哀は、齊の人、字は季沈。天下に多く大夫の家に仕うる者あるを鄙しみ、是を以て未だ嘗て節を人臣に屈せず。孔子特に之を嘆じて貴べり。
現代語訳
公析哀は斉の人で、字は季沈という。世の中に大夫の家に仕える者が多いことを卑しいと考え、そのため一度も臣下として節義を曲げることがなかった。孔子は特に彼を称賛し尊んだ。
解説
この一文は、公析哀が権勢のある大夫の家に仕えることを潔しとせず、生涯にわたって自らの節義を曲げなかった人物であったことを伝えています。当時、多くの士は大夫の家臣となって仕官の道を求めましたが、公析哀はそうした風潮を卑しいものと見なし、あえてその道を選びませんでした。これは、地位や俸禄よりも自らの信条を優先する姿勢の表れであり、孔子が特別に彼を嘆賞し尊んだのも、そうした一貫した節操を高く評価したためと考えられます。七十二弟子の多くが仕官して政治的な実績を残した中で、あえて出仕しない生き方を貫いた点は特異であり、孔子門下の多様な価値観を示す一例といえます。現代でも、周囲の流れに安易に迎合せず、自分の信じる道を貫く姿勢は、組織や社会との向き合い方を考える上で示唆に富みます。
この章句が説くこと
公析哀節義不仕孔子の称賛処世観