孔子家語 / 刑政
仲弓曰:「其禁何禁?」孔子曰:「巧言破律,遁名改作,執左道與亂政者。作淫聲,造異服,設伎奇器,以蕩上心者殺。行偽而堅,言詐而辯;學非而博,順非而澤;以惑眾者殺。假於鬼神,時日卜筮,以疑眾者殺。此四誅者不以聽。」
新字:仲弓曰:「其禁何禁?」孔子曰:「巧言破律,遁名改作,執左道与乱政者。作淫声,造異服,設伎奇器,以蕩上心者殺。行偽而堅,言詐而弁;学非而博,順非而沢;以惑衆者殺。仮於鬼神,時日卜筮,以疑衆者殺。此四誅者不以聴。」
書き下し
仲弓曰わく:「其の禁は何をか禁ずる。」孔子曰わく:「巧言もて律を破り、名を遁れて作を改め、左道を執りて政を亂す者。淫聲を作り、異服を造り、伎奇器を設けて、以て上の心を蕩かす者は殺す。偽を行いて堅く、詐を言いて辯じ、非を學びて博く、非に順いて澤あり、以て眾を惑わす者は殺す。鬼神に假り、時日卜筮して、以て眾を疑わしむる者は殺す。此の四誅は聽かざるを以てす。」
現代語訳
仲弓は尋ねた。「刑罰の対象となる禁令とは、具体的にどのようなことを禁じているのですか。」孔子は答えた。「巧みな弁舌で法律を骨抜きにし、名目をすり替えて制度を勝手に変え、邪道を用いて政治を乱す者。みだらな音楽を作り、異様な服装を作り、奇妙な技巧や道具を作って上の者の心を惑わす者は死刑にする。偽りの行いを頑なに押し通し、偽りの言説を巧みに弁じ、正しくないことを学んで博識を装い、正しくないことに従って表面を飾り立て、これらによって民衆を惑わす者は死刑にする。鬼神の名を借り、日時や占いを口実にして、民衆に疑いを抱かせる者は死刑にする。この四つの死罪については、通常のような審理の余地を与えない。」
解説

人生を、一行の式にしてみた。
志×積×時×憤÷(1+執)+命。古典から導いた式『人生の方程式』と、二十四の悩みに古典が答える『人生の教科書』(PDF)、師導の全機能1か月がセットで700円です。
本の中身を見るこの章句が説くこと
関連する章句
-
孔子家語・刑政仲弓孔子に問いて曰わく:「雍聞く、至刑には政を用うる所無く、至政には刑を用うる所無しと。至刑にして政を用うる所無きは、桀紂の世是れなり。至政にして刑を用うる所無きは、成康の世是れなり。信なるか。」孔子曰わく:「聖人の治化するや、必ず刑政相參わる。太上は德を以て民を教え、而して禮を以て之を齊う。其の次は政を以て民を導き、刑を以て之を禁ず、刑して刑せざるなり。之を化して變ぜず、之を導きて從わず、義を傷りて俗を敗るに、是に於て刑を用う。五刑を顓らにするは必ず天倫に即く。刑罰を行うには則ち輕きも赦す無し。刑は、侀なり。侀は、成なり。壹たび成りて更う可からず、故に君子心を盡くすなり。」
-
孔子家語・刑政仲弓曰わく:「古の訟を聽くや、尤罰は事に麗け、其の心を以てせずと。得て聞く可きか。」孔子曰わく:「凡そ五刑の訟を聽くには:必ず父子の情に原づき、君臣の義を立てて以て之を權り、輕重の序を意論し、淺深の量を慎測して以て之を別ち、其の聰明を悉くし、其の忠愛を正して以て之を盡くす。大司寇刑を正し辟を明らかにして以て獄を察す、獄は必ず三訊す。指有りて簡無ければ、則ち聽かず。附くるは輕きに從い、赦すは重きに從う。疑獄は則ち泛く眾と之を共にし、疑わしければ則ち之を赦す、皆小大の比を以て成すなり。是の故に人を爵するには必ず朝にす、眾と之を共にすればなり。人を刑するには必ず市にす、眾と之を棄つればなり。古は公家刑人を畜わず、大夫養わざるなり。士之に塗に遇うも、以て之と言わず。之を四方に屏け、唯だ其の之く所のままにす。政に與るに及ばず、之を生かさんと欲せざるなり。」
-
孔子家語・五刑解孔子曰わく:「大罪五有り、而して人を殺すを下と爲す。天地に逆らう者は、罪五世に及ぶ。文武を誣うる者は、罪四世に及ぶ。人倫に逆らう者は、罪三世に及ぶ。鬼神を謀る者は、罪二世に及ぶ。手ずから人を殺す者は、罪其の身に及ぶ。故に曰わく、大罪五有りて、人を殺すを下と爲すと。」
-
孔子家語・刑政仲弓曰わく:「其の禁は此に盡くるのみか。」孔子曰わく:「此は其の急なる者にして、其の餘の禁ずる者十有四なり。命服命車は、市に粥がず。圭璋璧琮は、市に粥がず。宗廟の器は、市に粥がず。兵車旍旗は、市に粥がず。犧牲秬鬯は、市に粥がず。戎器兵甲は、市に粥がず。用器度に中らざるは、市に粥がず。布帛の精麤、數に中らず、廣狹量に中らざるは、市に粥がず。奸色正色を亂すは、市に粥がず。文錦珠玉の器、雕飾靡麗なるは、市に粥がず。衣服飲食は、市に粥がず。[判読不能の一字]實時ならざるは、市に粥がず。五木伐るに中らざるは、市に粥がず。鳥獸魚鱉殺すに中らざるは、市に粥がず。凡そ此の禁を執りて以て眾を齊うるは、過ちを赦さざるなり。」
-
『長短経』政体必死の路を明らかにするは、刑罰を厳にするなり。〔議に曰く、孔子曰く「上、其の道を失いて其の下を殺すは、礼に非ざるなり」と。故に三軍大敗するも斬らず、獄犴治まらざるも刑す可からず。何ぞや。上の教えの行われざるは、罪、人に在らざる故なり。夫れ令を慢りて誅を致すは賊なり。徴斂に時無きは暴なり。誡めずして成るを責むるは虐なり。政に此の三つの者無く、然る後に刑するは即ち可なり。道徳を陳べて以て先ず之を服せしめ、猶お可ならずんば、則ち賢を尚びて以て之を勧め、又た可ならずんば、則ち不能を廃して以て之を憚らしむ。而して猶お邪人の化に従わざる者有らば、然る後に之を待つに刑を以てす」と。
-
孔子家語・始誅孔子魯の大司寇と為り、父子訟うる者有り。夫子同狴に之を執う。三月別たず、其の父止めんことを請う。夫子之を赦す。季孫之を聞き、悦ばずして曰く、「司寇余を欺けり。曩に余に告げて曰く、『国家必ず孝を以て先とす』と。余今一の不孝を戮して以て民に孝を教うるは、亦た可ならずや。而るに又之を赦すは、何ぞや。」冉有以て孔子に告ぐ。子喟然として嘆じて曰く、「嗚呼、上其の道を失いて、其の下を殺すは、理に非ざるなり。孝を教えずして其の獄を聴くは、是れ不辜を殺すなり。三軍大敗するも、斬るべからざるなり。獄犴治まらざるも、刑すべからざるなり。何となれば、上の教之を行わざるは、罪民に在らざるが故なり。夫れ令を慢りて誅を謹むは、賊なり。斂を征するに時無きは、暴なり。試みずして成るを責むるは、虐なり。政此の三者無くして、然る後刑即くべきなり。書に云う、『義刑、義殺庸うる勿かれ、以て汝の心に即けよ、惟だ未だ事を慎むこと有らずと曰え』と。必ず教えて而る後に刑すを言うなり。既に道徳を陳べて以て先ず之に服せしめ、而して猶お可ならざれば、賢を尚びて以て之を勧め、又可ならざれば、即ち之を廃し、又可ならざれば、而る後に威を以て之を憚らしむ。是の若くすること三年にして、百姓正し。其れ邪民の化に従わざる者有れば、然る後に之を待つに刑を以てすれば、則ち民咸な罪を知る。詩に云う、『天子是れ毗け、民をして迷わざらしむ』と。是を以て威厳にして試みず、刑錯きて用いず。今の世は則ち然らず、其の教を乱して其の刑を繁くし、民をして迷惑して焉に陥らしめ、又従いて之を制す。故に刑彌いよ繁くして、盗勝えず。夫れ三尺の限、空車も登ること能わざる者は何ぞや、峻なるが故なり。百仞の山、重載も陟る者は何ぞや、陵遅なるが故なり。今世俗の陵遅久し、刑法有りと雖も、民踰ゆること勿からんや。」