孔子家語 / 哀公問政
公曰:「政其盡此而已乎?」孔子曰:「凡為天下國家有九經。曰:修身也、尊賢也、親親也、敬大臣也、體群臣也、子庶民也、來百工也、柔遠人也、懷諸侯也。夫修身則道立,尊賢則不惑,親親則諸父兄弟不怨,敬大臣則不眩,體群臣則士之報禮重,子庶民則百姓勸,來百工則財用足,柔遠人則四方歸之,懷諸侯則天下畏之。」
新字:公曰:「政其尽此而已乎?」孔子曰:「凡為天下国家有九経。曰:修身也、尊賢也、親親也、敬大臣也、体群臣也、子庶民也、来百工也、柔遠人也、懐諸侯也。夫修身則道立,尊賢則不惑,親親則諸父兄弟不怨,敬大臣則不眩,体群臣則士之報礼重,子庶民則百姓勧,来百工則財用足,柔遠人則四方帰之,懐諸侯則天下畏之。」
書き下し
公曰わく、「政は其れ此れに尽くるのみか。」孔子曰わく、「凡そ天下国家を為むるに九経有り。曰わく、身を修むるなり、賢を尊ぶなり、親を親しむなり、大臣を敬うなり、群臣を体するなり、庶民を子とするなり、百工を来すなり、遠人を柔らぐるなり、諸侯を懐くるなり。夫れ身を修むれば則ち道立ち、賢を尊べば則ち惑わず、親を親しめば則ち諸父兄弟怨みず、大臣を敬えば則ち眩わず、群臣を体すれば則ち士の礼に報ゆること重く、庶民を子とすれば則ち百姓勧み、百工を来せば則ち財用足り、遠人を柔らぐれば則ち四方之れに帰し、諸侯を懐くれば則ち天下之れを畏る。」
現代語訳
哀公は言った。「政治とはそれで尽くされるのでしょうか。」孔子は言った。「そもそも天下国家を治めるには、九つの筋道(九経)があります。すなわち、身を修めること、賢者を尊ぶこと、肉親を愛すること、大臣を敬うこと、群臣の立場を思いやること、庶民を我が子のように慈しむこと、多くの職人を招き寄せること、遠方の人々を懐柔すること、諸侯を懐かせることです。身を修めれば道が確立し、賢者を尊べば迷いがなくなり、肉親を愛すれば伯父・兄弟が怨みを持たなくなり、大臣を敬えば判断に迷わなくなり、群臣の立場を思いやれば士たちが厚く礼に報いるようになり、庶民を慈しめば民が奮い立ち、職人を招けば財貨が豊かになり、遠方の人を懐柔すれば四方の民が慕い集まり、諸侯を懐かせれば天下がその威を畏れるようになります。」
解説
この章句が説くこと
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孔子家語・哀公問政公曰わく、「之れを為すこと奈何。」孔子曰わく、「斉潔にして服を盛んにし、礼に非ざれば動かざるは、身を修むる所以なり。讒を去り色を遠ざけ、財を賤しみて徳を貴ぶは、賢を尊ぶ所以なり。其の能に爵し、其の禄を重んじ、其の好悪を同じくするは、親を親しむを篤くする所以なり。官盛んに任使するは、大臣を敬う所以なり。忠信もて禄を重くするは、士を勧むる所以なり。時に使いて歛を薄くするは、百姓を子とする所以なり。日に省み月に考え、既廩事に称うは、百工を来す所以なり。往くを送り来たるを迎え、善を嘉して不能を矜むは、遠人を綏んずる所以なり。絶世を継ぎ、廃邦を挙げ、乱を治め危きを持し、朝聘時を以てし、往くを厚くして来たるを薄くするは、諸侯を懐くる所以なり。天下国家を治むるに九経有り、其の之れを行う所以の者は、一なり。凡そ事は予めすれば則ち立ち、予めせざれば則ち廃す。言、前に定まれば則ち跲かず、事、前に定まれば則ち困しまず、行、前に定まれば則ち疚しからず、道、前に定まれば則ち窮せず。下位に在りて上に獲られざれば、民得て治む可からず。上に獲らるるに道有り、友に信ぜられざれば、上に獲られざるなり。友に信ぜらるるに道有り、親に順わざれば、友に信ぜられざるなり。親に順うに道有り、諸を身に反りみて誠ならざれば、親に順わざるなり。身を誠にするに道有り、善に明らかならざれば、身に誠ならざるなり。誠は、天の至道なり。之れを誠にするは、人の道なり。夫れ誠は、勉めずして中り、思わずして得、従容として道に中る、聖人の体定まる所以なり。之れを誠にする者は、善を択びて之れを固執する者なり。」
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中庸子曰く、「学を好むは知に近く、力行(りっこう)は仁に近く、恥を知るは勇に近し。斯(こ)の三者を知れば、則ち身を修むる所以を知る。身を修むる所以を知れば、則ち人を治むる所以を知る。人を治むる所以を知れば、則ち天下国家を治むる所以を知る。凡そ天下国家を為(おさ)むるに九経(きゅうけい)有り。曰く、身を修むるなり、賢を尊ぶなり、親を親しむなり、大臣を敬うなり、群臣を体するなり、庶民を子とするなり、百工を来(きた)すなり、遠人を柔(やわ)らぐるなり、諸侯を懐(なつ)くるなり。身を修むれば則ち道立ち、賢を尊べば則ち惑わず、親を親しめば則ち諸父(しょふ)昆弟怨みず、大臣を敬えば則ち眩(まど)わず、群臣を体すれば則ち士の礼に報ゆること重く、庶民を子とすれば則ち百姓勧(すす)み、百工を来せば則ち財用足り、遠人を柔らぐれば則ち四方之に帰し、諸侯を懐くれば則ち天下之を畏る。斉明盛服し、礼に非ざれば動かざるは、身を修むる所以なり。讒(ざん)を去り色を遠ざけ、貨を賤しみて徳を貴ぶは、賢を勧むる所以なり。其の位を尊び、其の禄を重くし、其の好悪を同じくするは、親を親しむを勧むる所以なり。官を盛んにして使を任ずるは、大臣を勧むる所以なり。忠信にして禄を重くするは、士を勧むる所以なり。時に使いて斂(れん)を薄くするは、百姓を勧むる所以なり。日に省み月に試み、既廩(きりん)事に称(かな)うは、百工を勧むる所以なり。往(ゆ)くを送り来るを迎え、善を嘉(よみ)し不能を矜(あわ)れむは、遠人を柔らぐる所以なり。絶世を継ぎ、廃国を挙げ、乱を治め危うきを持し、朝聘(ちょうへい)時を以てし、往(おく)ること厚くして来(きた)ること薄きは、諸侯を懐くる所以なり。凡そ天下国家を為むるに九経有り。之を行う所以の者は一なり」と。
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孔子家語・哀公問政哀公、政を孔子に問う。孔子対えて曰わく、「文武の政は、方策に布在す。其の人存すれば、則ち其の政挙がり、其の人亡ければ、則ち其の政息む。天道は生を敏め、人道は政を敏め、地道は樹を敏む。夫れ政は、猶お蒲盧のごときなり。化を待ちて以て成る。故に政を為すは人を得るに在り、人を取るには身を以てし、道を修むるには仁を以てす。仁とは人なり、親を親しむを大と為す。義とは宜なり、賢を尊ぶを大と為す。親を親しむの殺、賢を尊ぶの等は、礼の生ずる所以なり。礼とは政の本なり。是を以て君子は身を修めざる可からず。身を修めんことを思わば、親に事えざる可からず。親に事えんことを思わば、人を知らざる可からず。人を知らんことを思わば、天を知らざる可からず。天下の達道五つ有り、其の之れを行う所以の者三つ。曰わく、君臣なり、父子なり、夫婦なり、昆弟なり、朋友なり。五つの者は、天下の達道なり。智・仁・勇、三つの者は、天下の達徳なり。之れを行う所以の者は、一なり。或いは生まれながらにして之れを知り、或いは学びて之れを知り、或いは困しみて之れを知る。其の之れを知るに及びては、一なり。或いは安んじて之れを行い、或いは利として之れを行い、或いは勉強して之れを行う。其の成功に及びては、一なり。」
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孔子家語・哀公問政公曰わく、「子の寡人に教うる備われり、敢えて行うの始むる所を問う。」孔子曰わく、「愛を立つるは親より始む、民に睦を教うるなり。敬を立つるは長より始む、民に順を教うるなり。之れに慈睦を教えて、民親有るを貴び、之れに敬を以て教えて、民命を用うるを貴ぶ。民既に親に孝にして、又た順いて以て命を聴かば、諸を天下に措きて可ならざる所無し。」公曰わく、「寡人既に此の言を聞くを得たり、果たして行うこと能わずして罪咎を獲んことを懼る。」
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中庸哀公(あいこう)政を問う。子曰く、「文・武の政は、布(し)きて方策に在り。其の人存すれば、則ち其の政挙(あ)がり、其の人亡(な)ければ、則ち其の政息(や)む。人の道は政に敏(さと)く、地の道は樹に敏し。夫れ政なる者は、蒲盧(ほろ)なり。故に政を為すは人に在り。人を取るには身を以てし、身を修むるには道を以てし、道を修むるには仁を以てす。仁とは人なり、親を親しむを大なりと為す。義とは宜なり、賢を尊ぶを大なりと為す。親を親しむの殺(さい)、賢を尊ぶの等、礼の生ずる所なり。下位に在りて上に獲(え)られざれば、民は得て治むべからず。故に君子は以て身を修めざるべからず。身を修めんことを思わば、以て親に事えざるべからず。親に事えんことを思わば、以て人を知らざるべからず。人を知らんことを思わば、以て天を知らざるべからず。天下の達道は五、之を行う所以の者は三なり。曰く、君臣なり、父子なり、夫婦なり、昆弟(こんてい)なり、朋友の交わりなり。五者は天下の達道なり。知・仁・勇の三者は、天下の達徳なり。之を行う所以の者は一なり。或いは生まれながらにして之を知り、或いは学びて之を知り、或いは困(くる)しみて之を知る。其の之を知るに及びては一なり。或いは安んじて之を行い、或いは利として之を行い、或いは勉強して之を行う。其の功を成すに及びては一なり」と。
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孔子家語・大婚解孔子哀公に侍坐す。公問いて曰く、「敢えて問う、人道孰れをか大と為す。」孔子愀然として色を作して対えて曰く、「君此の言に及ぶや、百姓の恵みなり。固より臣敢えて辞無くして対えざらんや。人道は、政を大と為す。夫れ政なる者は、正なり。君正を為せば、則ち百姓従いて正し。君の為す所は、百姓の従う所なり。君正を為さずんば、百姓何くにか従う所ぞ。」