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孔子家語 / 六本

孔子曰:「中人之情也,有餘則侈,不足則儉,無禁則淫,無度則逸,從欲則敗。是故鞭樸之子,不從父之教;刑戮之民,不從君之令。此言疾之難忍,急之難行也。故君子不急斷,不急制;使飲食有量,衣服有節,宮室有度,畜積有數,車器有限;所以防亂之原也。夫度量不可明,是中人所由之令。」

新字:孔子曰:「中人之情也,有余則侈,不足則倹,無禁則淫,無度則逸,従欲則敗。是故鞭樸之子,不従父之教;刑戮之民,不従君之令。此言疾之難忍,急之難行也。故君子不急断,不急制;使飲食有量,衣服有節,宮室有度,畜積有数,車器有限;所以防乱之原也。夫度量不可明,是中人所由之令。」

書き下し

孔子曰わく、「中人の情や、余り有れば則ち侈り、足らざれば則ち倹あり、禁むる無ければ則ち淫し、度無ければ則ち逸し、欲に従えば則ち敗る。是の故に鞭樸の子は、父の教えに従わず。刑戮の民は、君の令に従わず。此れ疾を忍び難く、急を行い難きを言うなり。故に君子は急に断ぜず、急に制せず、飲食をして量有らしめ、衣服をして節有らしめ、宮室をして度有らしめ、畜積をして数有らしめ、車器をして限有らしむ。乱の原を防ぐ所以なり。夫れ度量明らかにす可からざるは、是れ中人の由りて令する所なり。」

現代語訳

孔子は言った。「中程度の人の性情は、余裕があれば贅沢に流れ、不足すれば倹約するようになり、禁止するものがなければふしだらになり、節度がなければ放縦になり、欲望のままに従えば身を滅ぼす。だから、鞭で厳しく打たれて育った子は父の教えに従わなくなり、刑罰で厳しく取り締まられた民は君主の命令に従わなくなる。これは、あまりに激しい仕打ちには耐え難く、あまりに性急な措置は実行し難いということを言っているのだ。だから君子は性急に事を断じたり、性急に統制したりはしない。飲食には適量を、衣服には節度を、住まいには規模の限度を、蓄えには数量の限度を、車馬や道具には制限を設ける。これが乱れの原因を未然に防ぐゆえんである。そもそも(厳格すぎる)基準をあからさまに示さないことこそ、中程度の人々を導く命令のあり方なのだ。」

解説

平均的な人間の性情は環境しだいで容易に贅沢や放縦、あるいは反発に傾くという人間観に基づき、統治や教育のあり方を説いた章です。過度に厳しい仕打ちや性急な取り締まりはかえって反発を招き、教えや命令に従わなくなることを、鞭で育てられた子や刑罰で締め付けられた民を例に指摘しています。そのうえで君子は、性急に断じたり統制したりせず、飲食・衣服・住居・蓄財・道具といった生活のあらゆる面にゆるやかな限度を設けることで、乱れの芽を未然に防ぐべきだと説きます。極端な放任も極端な締め付けも避け、適度な節度をもって人を導くという、バランス感覚に富んだ統治・教育論として読み取れます。

この章句が説くこと

中人節度統治教育処世

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