孔子家語 / 辯政
子貢聞於孔子曰:「夫子之於子產、晏子,可為至矣。敢問二大夫之所為,目夫子之所以與之者。」孔子曰:「夫子產於民為惠主,於學為博物。晏子於君為忠臣,而行為恭敏。故吾皆以兄事之,而加愛敬。」
新字:子貢聞於孔子曰:「夫子之於子産、晏子,可為至矣。敢問二大夫之所為,目夫子之所以与之者。」孔子曰:「夫子産於民為恵主,於学為博物。晏子於君為忠臣,而行為恭敏。故吾皆以兄事之,而加愛敬。」
書き下し
子貢、孔子に聞きて曰わく、「夫子の子産・晏子に於けるや、至れりと為す可し。敢えて問う、二大夫の為す所、夫子の之に與する所以を目せん。」孔子曰わく、「夫れ子産は民に於いて惠主為り、學に於いて博物為り。晏子は君に於いて忠臣為り、行い恭敏為り。故に吾れ皆兄を以て之に事え、愛敬を加う。」
現代語訳
子貢が孔子に尋ねた。「先生の子産・晏子に対する評価は、まことに極まったものと申せましょう。あえてお尋ねします、このお二人の大夫のどのような行いに対して、先生はそこまで心を寄せておられるのでしょうか。」孔子は言った。「子産は民にとって恵み深い主であり、学問においては物事に広く通じていた。晏子は主君にとって忠実な臣であり、その行いは恭しく機敏であった。だから私は二人とも兄のように敬い仕え、愛情と敬意を重ねているのだ。」
解説
子貢が、孔子が子産と晏子という二人の大夫を高く評価していることについて、その理由を尋ねます。孔子は、子産については民への恵み深さと学問の広さを、晏子については主君への忠実さと立ち居振る舞いの機敏さを挙げ、それぞれ異なる美点によって二人を「兄のように敬う」と述べます。同じ「優れた大夫」という評価であっても、その中身は画一的ではなく、一人ひとりの持ち味に即して評価しているという姿勢が読み取れます。人を比較して優劣をつけるのではなく、それぞれの強みを的確に言語化して称える孔子の態度は、人材評価のあり方として参考になります。
この章句が説くこと
子産晏子人物評価恭敏兄事