孔子家語 / 辯政
子曰:「夫道不可不貴也。中行文子倍道失義,以亡其國;而能禮賢,以活其身。聖人轉禍為福,此謂是與?」
新字:子曰:「夫道不可不貴也。中行文子倍道失義,以亡其国;而能礼賢,以活其身。聖人転禍為福,此謂是与?」
書き下し
子曰わく、「夫れ道は貴ばざる可からざるなり。中行文子道に倍きて義を失い、以て其の國を亡ぼす。而れども能く賢を禮し、以て其の身を活かす。聖人禍を轉じて福と為すとは、此を謂うか。」
現代語訳
孔子は言った。「そもそも道というものは、貴ばずにはいられないものだ。中行文子は道に背き義を見失い、それによって自分の国を滅ぼした。しかし賢者を礼遇することができたので、それによって自分の命を救うことができた。聖人が禍を転じて福となすというのは、まさにこのことを言うのだろうか。」
解説
晋の中行文子は、道に背き義を見失った結果、自分の治める国を滅ぼしてしまった人物として知られています。しかし彼は賢者を礼遇する姿勢だけは失わず、それによって国を失った後も自分の命を守ることができました。孔子はこれを「禍を転じて福となす」の一例として引き合いに出します。大きな過ちを犯して破滅を招いた人物であっても、一つの美徳を保ち続けていれば、そこから活路が開けることがあるという指摘です。完全な失敗の中にも、守り抜いた一点の徳が最後の支えになるという教えは、逆境における自己回復のあり方を考えさせます。
この章句が説くこと
中行文子転禍為福礼賢道義晋
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