後世への最大遺物 / 第二回・己の信ずることを実行する者
己の信ずることを実行するものが真面目なる信者です。ただただ壮言大語することは誰にもできます。いくら神学を研究しても、いくら哲学書を読みても、われわれの信じた主義を真面目に実行するところの精神がありませぬあいだは、神はわれわれにとって異邦人であります。それゆえにわれわれは神がわれわれに知らしたことをそのまま実行いたさなければなりません。こういたさねばならぬと思うたことはわれわれはことごとく実行しなければならない。もしわれわれが正義はついに勝つものにして不義はついに負けるものであるということを世間に発表するものであるならば、そのとおりにわれわれは実行しなければならない。これを称して真面目なる信徒と申すのです。
書き下し
己の信ずることを実行するものが真面目なる信者です。ただただ壮言大語することは誰にもできます。いくら神学を研究しても、いくら哲学書を読みても、われわれの信じた主義を真面目に実行するところの精神がありませぬあいだは、神はわれわれにとって異邦人であります。それゆえに、われわれは神がわれわれに知らしたことをそのまま実行いたさなければなりません。こういたさねばならぬと思うたことは、われわれはことごとく実行しなければならない。もしわれわれが、正義はついに勝つものにして不義はついに負けるものであるということを世間に発表するものであるならば、そのとおりにわれわれは実行しなければならない。これを称して真面目なる信徒と申すのです。
現代語訳
自分の信じることを実行する者が、真面目な信者です。ただ大言壮語することなら誰にでもできます。いくら神学を研究し、いくら哲学書を読んでも、自分の信じた主義を真面目に実行する精神がない間は、神は私たちにとって異邦人です。ですから私たちは、神が私たちに知らせたことをそのまま実行しなければなりません。こうしなければならないと思ったことは、すべて実行しなければならない。もし私たちが、正義はついに勝ち不義はついに負けると世間に公表するのであれば、そのとおりに実行しなければなりません。これを称して真面目な信徒と言うのです。
解説

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本の中身を見るこの章句が説くこと
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言志四録・言志晩録 第百七十条 口を以て己の行を誘ふ勿れ口を以て己の行を誘ふこと勿れ。耳を以て人の言を聞くこと勿れ。
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『後世への最大遺物』第二回・人に頼らず天と己にたよるその考えを持ったばかりでなく、その考えを実行した。その話は長うございますけれども、ついには何万石という村々を改良して、自分の身をことごとく人のために使った。旧幕の末路にあたって、経済上、農業改良上について非常の功労のあった人であります。それでわれわれもそういう人の生涯、二宮金次郎先生のような人の生涯を見ますときに、「もしあの人にもああいうことができたならば、私にもできないことはない」という考えを起します。普通の考えではありますけれども、非常に価値のある考えであります。それで人に頼らずとも、われわれが神にたより己にたよって宇宙の法則に従えば、この世界はわれわれの望むとおりになり、この世界にわが考えを行うことができるという感覚が起ってくる。
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論語・子罕篇子曰く、之に語げて惰らざる者は、其れ回なるか。