管子 / 輕重乙
桓公曰:「皮幹筋角竹箭羽毛齒革不足,為此有道乎?」管子曰:「惟曲衡之數為可耳。」桓公曰:「行事奈何?」管子對曰:「請以令,為諸侯之商賈立客舎一乗者有食,三乗者有芻菽,五乗者有伍養,天下之商賈歸齊若流水。」
新字:桓公曰:「皮幹筋角竹箭羽毛齒革不足,為此有道乎?」管子曰:「惟曲衡之数為可耳。」桓公曰:「行事奈何?」管子対曰:「請以令,為諸侯之商賈立客舎一乗者有食,三乗者有芻菽,五乗者有伍養,天下之商賈帰斉若流水。」
書き下し
桓公曰く、「皮幹筋角・竹箭・羽毛・齒革足らず、此を為すに道有りや」と。管子曰く、「惟だ曲衡の數のみ可なるのみ」と。桓公曰く、「事を行うこと奈何」と。管子對えて曰く、「請う令を以て、諸侯の商賈の為に客舎を立て、一乗の者には食有り、三乗の者には芻菽有り、五乗の者には伍養有らしめば、天下の商賈の齊に歸すること流水の若し」と。
現代語訳
桓公が言った。皮や幹や筋や角、竹や矢竹、羽毛、牙や革が足りない。これに道はあるか。管子が言った。ただ曲がった釣り合いの数え方だけが、できることです。桓公が言った。それをどう行うのか。管子が答えた。令を出して、諸侯の商人のために宿を建て、車一台の者には食事を、三台の者には馬の飼葉を、五台の者には世話をする者をつけなさい。そうすれば天下の商人が斉へ帰してくることは、流れる水のようです。
解説
材料が足りないときに、取り立てるのではなく宿を建てます。車一台の商人には食事、三台には馬の飼葉、五台には世話をする人をつける。手厚さを規模に応じて段にしただけで、天下の商人が水のように集まる。買い集めるかわりに、来てもらう。搦め手の締めくくりでした。
この章句が説くこと
皮幹筋角竹箭羽毛齒革足らず惟だ曲衡の数のみ可なるのみ諸侯の商賈の為に客舎を立つ一乗の者には食有り三乗の者には芻菽有り五乗の者には伍養有り誘致もてなし
関連する章句
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『管子』輕重甲桓公曰く、「皮幹筋角の徴は甚だ重し。重く民に籍りて市の皮幹筋角を貴くするは、國を為むるの數に非ざるなり」と。管子對えて曰く、「請う令を以て杠を髙くし池を柴し、東西相い睹ず、南北相い見えざらしめん」と。桓公曰く、「諾」と。事を行うこと期年にして、皮幹筋角の徵は分を去り、民の藉も分を去る。桓公管子を召して問いて曰く、「此れ何の故ぞや」と。管子對えて曰く、「杠池平らかなるの時、夫妻簟を服して輕く百里に至る。今杠を髙くし池を柴し、東西南北相い睹ず。天酸然として雨ふれば、十人の力も上る能わず。廣澤にして雨に遇えば、十人の力も得て恃むべからず。夫れ牛馬の力を舎きては因る所無し、牛馬絶え罷れて相い繼ぎ其の所に死する者相い望む、皮幹筋角は徒だ人に予えて之を取る莫く、牛馬の賈は必ず坐ながらに長じて百倍す。天下之を聞きて、必ず其の牛馬を離して齊に歸すること流るるが若し。故に杠を髙くし池を柴するは、天下の牛馬を致して、民の藉を損ずる所以なり。道に若し祕あり、云く、『物の生ずる所は、其の聚まる所に若かず』と」と。
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『管子』輕重甲桓公管子に問いて曰く、「今髙下を調え、并せられたる財を分かち、積聚を散ぜんと欲す。然らずんば、則ち世且に并兼して止む無く、餘りを蓄え羨を藏して息まず、貧賤鰥寡獨老は與りて得ざらん。之を散ずるに道有り、之を分かつに數有りや」と。管子對えて曰く、「唯だ輕重の家のみ能く之を散ずるのみ。請う令を以て輕重の家せしめよ」と。桓公曰く、「諾」と。車五乗を東し、癸乙を周の下原に迎う。桓公四たび問い、因りて癸乙・管子・寗戚と相い與に四たび坐す。桓公曰く、「請う輕重の數を問う」と。癸乙曰く、「重く其の民に籍る者は其の下を失い、數しば諸侯を欺く者は權と與する無し」と。管子肩を差えて問いて曰く、「吾れ吾が民に籍らずんば、何を以て車革を奉ぜん。吾が民に籍らずんば、何を以て鄰國を待たん」と。癸乙曰く、「唯だ好心のみ可なるのみ。夫れ好心なれば則ち萬物通じ、萬物通ずれば則ち萬物運り、萬物運れば則ち萬物賤しく、萬物賤しければ則ち萬物因るべし。萬物の因るべきを知りて因らざる者は、天下に奪わる。天下に奪わるる者は、國の大賊なり」と。
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