管子 / 揆度
管子曰:「匹夫為鰥,匹婦為寡,老而無子者為獨。君問其若有子弟師役而死者,父母為獨,上必之,衣衾三領,木必三寸,鄉吏視事,於公壤。若産而無弟兄,上必賜之匹馬之壤。故親之殺其子以為上用,不苦也。君終嵗行邑里。其人力同而宫室美者,良萌也,力作者也,脯二束、酒一石以賜之。力足蕩遊不作,老者譙之,當壯者遣之邊戍。民之無本者,貸之圃疆故百事皆舉,無留力失時之民。此皆國筴之數也。」
新字:管子曰:「匹夫為鰥,匹婦為寡,老而無子者為独。君問其若有子弟師役而死者,父母為独,上必之,衣衾三領,木必三寸,鄉吏視事,於公壤。若産而無弟兄,上必賜之匹馬之壤。故親之殺其子以為上用,不苦也。君終歳行邑里。其人力同而宫室美者,良萌也,力作者也,脯二束、酒一石以賜之。力足蕩遊不作,老者譙之,当壮者遣之辺戍。民之無本者,貸之圃疆故百事皆舉,無留力失時之民。此皆国筴之数也。」
書き下し
管子曰く、「匹夫にして鰥と為り、匹婦にして寡と為り、老いて子無き者を獨と為す。君其の若し子弟の師役ありて死する者有らば、父母を獨と為し、上必ず之に之き、衣衾三領、木は必ず三寸、鄉吏事を視ること、公壤に於てす。若し産みて弟兄無くんば、上必ず之に匹馬の壤を賜う。故に親の其の子を殺して以て上の用と為すも、苦しまざるなり。君歳を終うるまで邑里を行く。其の人力同じくして宫室美なる者は、良萌なり、力作する者なり、脯二束・酒一石もて以て之に賜う。力足りて蕩遊して作さざる者は、老いたる者は之を譙め、壯に當たる者は之を邊戍に遣る。民の本無き者には、之に圃疆を貸す。故に百事皆な舉がりて、力を留め時を失うの民無し。此れ皆な國筴の數なり」と。
現代語訳
管子が言った。男で妻のない者を鰥といい、女で夫のない者を寡といい、老いて子のない者を独という。君は、もし子や弟が軍役で死んだ者があれば、その父母を独として扱い、上は必ずそこへ出向いて、衣と寝具を三領、棺の板は必ず三寸のものを与え、郷の役人が葬りの事を公の土地で執り行う。もし生んだ子に兄弟がなければ、上は必ず馬一頭分の土地を与える。だから親が子を国のために死なせても、それを苦にしない。君は年じゅう邑や里を回る。同じ人手なのに家が立派な者は、良い民であり、よく働く者である。干し肉二束と酒一石を与える。力があるのにぶらぶらして働かない者は、年寄りなら叱り、壮年なら辺境の守備に送る。生業のもとを持たない民には、畑地を貸す。だから百の仕事がみな進み、力を余らせたり時を逃したりする民がいない。これがみな国の手立ての数え方である。
解説
この章句が説くこと
関連する章句
-
呂氏春秋・義賞①春氣至れば則ち草木産し、秋氣至れば則ち草木落つ。産と落とは之を使しむるもの或り。自ら然るに非ざるなり。故に之を使しむる者至れば、物為さざる無く、之を使しむる者至らざれば、物為す可き無し。古の人、其の使しむる所以を審らかにす、故に物、用を為さざる莫し。賞罰の柄、此れ上の使しむる所以なり。其の以て加うる所の者義なれば、則ち忠信親愛の道彰わる。久しく彰われて愈々長ずれば、民の之に安んずること性の若し。此を之れ教成ると謂う。教成れば則ち厚賞嚴威有りと雖も禁ずること能わず。故に善く教うる者は、義以て賞罰して教成り、教成りて賞罰禁ずること能わず。賞罰を用いて當らざるも亦た然り。姦偽賊亂貪戻の道興り、久しく興りて息まざれば、民の之を讎うること性の若し。戎夷胡貉巴越の民は、是を以て厚賞嚴罰有りと雖も、禁ずること能わず。郢人の兩版を以て垣するや、吳起之を變じて惡まる。賞罰易れば民安くんぞ樂しまん。氐羌の民、其れ虜となるや、其の係纍を憂えずして、其の死するに焚かれざるを憂うるは、皆、邪に成り、且つ成りて民を賊う。故に賞罰の加うる所は、慎まざる可からず。
-
『韓非子』難一第三十六今赫は僅かに驕侮せざるのみにして、襄子之を賞するは、是れ賞を失うなり。明主は賞を無功に加えず、罰を無罪に加えず。
-
孫子・行軍篇數々賞する者は、窘するなり。數々罰する者は、困しむなり。先に暴にして後に其の衆を畏るる者は、不精の至りなり。来たりて委謝する者は、休息を欲するなり。
-
『韓非子』外儲説右下第三十五賞罰共にすれば則ち禁令行われず。何を以て之を明らかにせん。之を明らかにするに造父・於期を以てす。
-
『韓非子』二柄第七明主の其の民を導制する所の者は、二柄のみ。二柄とは、刑・徳なり。
-
呂氏春秋・當賞①民は道無くして天を知る。民は四時寒暑日月星辰の行を以て天を知る。四時寒暑日月星辰の行當たれば、則ち諸生の血氣有るの類、皆為に其の處を得て其の產に安んず。人臣も亦た道無くして主を知る。人臣は賞罰爵祿の加わる所を以て主を知る。主の賞罰爵祿の加わる所の者宜しければ、則ち親疏遠近賢不肖、皆其の力を盡くして、以て用を為す。