管子 / 地數
桓公問於管子曰:「吾欲富本而豐五榖可乎?」管子對曰:「不可。夫本富而財物衆,不能守則税於天下;五榖興豐,巨錢而天下䝿,則税於天下,然則吾民常為天下虜矣。夫善用本者,若以身濟於大海,觀風之所起,天下髙則髙,天下下則下。天髙我下,則財利税於天下矣。」
新字:桓公問於管子曰:「吾欲富本而豊五榖可乎?」管子対曰:「不可。夫本富而財物衆,不能守則税於天下;五榖興豊,巨銭而天下䝿,則税於天下,然則吾民常為天下虜矣。夫善用本者,若以身済於大海,観風之所起,天下高則高,天下下則下。天高我下,則財利税於天下矣。」
書き下し
桓公管子に問いて曰く、「吾れ本を富ませて五榖を豐かにせんと欲す、可なるか」と。管子對えて曰く、「不可なり。夫れ本富みて財物衆ければ、守る能わざれば則ち天下に税せらる。五榖興り豐かにして、錢を巨にして天下貴ければ、則ち天下に税せらる。然らば則ち吾が民は常に天下の虜と為らん。夫れ善く本を用うる者は、身を以て大海を濟るが若く、風の起こる所を觀て、天下髙ければ則ち髙くし、天下下れば則ち下る。天髙く我下れば、則ち財利は天下に税せらる」と。
現代語訳
桓公が管子に問うた。私は生業を富ませて五穀を豊かにしたい。よいか。管子が答えた。いけません。生業が富んで財と物が多くても、守れなければ天下に吸い上げられます。五穀が起こって豊かになり、銭を大きくしても天下のほうが高ければ、やはり天下に吸い上げられる。そうなれば我が民はいつも天下の捕虜のようになってしまう。生業をうまく用いる者は、身をもって大海を渡るように、風の起こる方角を見て、天下が高ければ高くし、天下が低ければ低くします。天下が高くて自分が低ければ、財も利も天下に吸い上げられてしまいます。
解説
生業を富ませて穀物を豊かにしたい、という当たり前の望みを管子は退けます。守る力がなければ、富んだ分だけ外に吸い上げられるから。海を渡るときに風の起こる方角を見るように、天下が高ければ高く、低ければ低くする。周りに合わせて上下することが、そのまま守ることだと言っています。
この章句が説くこと
本富みて財物衆ければ守る能わざれば則ち天下に税せらる吾が民は常に天下の虜と為らん身を以て大海を済るが若く風の起こる所を観る天下高ければ則ち高くし天下下れば則ち下る生産守り
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