管子 / 地數
「黄帝問於伯髙曰:『吾欲陶天下而以為一家,為之有道乎?』伯髙對曰:『請刈其莞而樹之,吾謹逃其蚤牙,則天下可陶而為一家。』黄帝曰:『此若言可得聞乎?』伯髙對曰:『上有丹沙者,下有黄金。上有慈石者,下有銅金。上有陵石者,下有鈆錫赤銅。上有赭者,下有鐡。此山之見榮者也。茍山之見其榮君謹封而祭之,距封十里而為一壇。是則使乗者下行,行者趨。若犯令者,罪死不赦。然則與折取之逺矣。』修教十年,而葛盧之山發而出水,金從之,蚩尤受而制之,以為劔鎧矛㦸是嵗相兼者諸侯九。雍狐之山發而出水,金從之,蚩尤受而制之,以為雍狐之㦸芮戈,是嵗相兼者諸侯十二。故天下之君頓㦸一怒,伏尸滿野,此見戈之本也。」
新字:「黄帝問於伯高曰:『吾欲陶天下而以為一家,為之有道乎?』伯高対曰:『請刈其莞而樹之,吾謹逃其蚤牙,則天下可陶而為一家。』黄帝曰:『此若言可得聞乎?』伯高対曰:『上有丹沙者,下有黄金。上有慈石者,下有銅金。上有陵石者,下有鈆錫赤銅。上有赭者,下有鐡。此山之見栄者也。茍山之見其栄君謹封而祭之,距封十里而為一壇。是則使乗者下行,行者趨。若犯令者,罪死不赦。然則与折取之遠矣。』修教十年,而葛盧之山発而出水,金従之,蚩尤受而制之,以為劔鎧矛㦸是歳相兼者諸侯九。雍狐之山発而出水,金従之,蚩尤受而制之,以為雍狐之㦸芮戈,是歳相兼者諸侯十二。故天下之君頓㦸一怒,伏尸満野,此見戈之本也。」
書き下し
「黄帝伯髙に問いて曰く、『吾れ天下を陶して以て一家と為さんと欲す、之を為すに道有りや』と。伯髙對えて曰く、『請う其の莞を刈りて之を樹え、吾れ謹んで其の蚤牙を逃れしめば、則ち天下は陶して一家と為すべし』と。黄帝曰く、『此の若き言は聞くを得べきか』と。伯髙對えて曰く、『上に丹沙有る者は、下に黄金有り。上に慈石有る者は、下に銅金有り。上に陵石有る者は、下に鈆錫赤銅有り。上に赭有る者は、下に鐡有り。此れ山の榮を見わす者なり。茍しくも山の其の榮を見わさば、君謹んで封じて之を祭り、封を距つること十里にして一壇を為れ。是れ則ち乗る者をして下りて行かしめ、行く者をして趨らしむ。若し令を犯す者あらば、罪は死にして赦さず。然らば則ち折り取るに與すること逺し』と。教えを修むること十年にして、葛盧の山發けて水を出だし、金之に從う、蚩尤受けて之を制し、以て劔鎧矛㦸を為る。是の歳相い兼ぬる者は諸侯九。雍狐の山發けて水を出だし、金之に從う、蚩尤受けて之を制し、以て雍狐の㦸・芮戈を為る。是の歳相い兼ぬる者は諸侯十二。故に天下の君㦸を頓きて一たび怒れば、伏尸野に滿つ、此れ戈を見わすの本なり」と。
現代語訳
黄帝が伯高に問うた。私は天下を練り固めて一つの家にしたい。その道はあるか。伯高が答えた。がまを刈って植え直し、その芽や牙にあたるものを丁寧によけておけば、天下は練り固めて一つの家にできます。黄帝が言った。その言葉を聞かせてもらえるか。伯高が答えた。地表に丹砂があれば、その下に黄金がある。磁石があれば、その下に銅がある。陵石があれば、その下に鉛や錫や赤銅がある。赤土があれば、その下に鉄がある。これが山が兆しを見せているということです。もし山が兆しを見せたら、君はそこを封じて祭り、封から十里離れたところに壇を一つ作りなさい。そうすれば車に乗る者は下りて歩き、歩く者は駆け足で通り過ぎる。令を犯す者があれば、死罪として赦さない。そうすれば、掘り取ることからは遠く隔たります。教えを行って十年、葛盧の山が裂けて水が出て、金がそれに従って現れた。蚩尤がそれを受けて加工し、剣と鎧と矛と戟を作った。その年に併呑された諸侯が九。雍狐の山が裂けて水が出て、金がそれに従って現れ、蚩尤が受けて加工し、雍狐の戟と芮の戈を作った。その年に併呑された諸侯が十二。だから天下の君が戟を突き立てて一度怒れば、倒れた屍が野に満ちる。これが戈の現れるもとである。
解説
この章句が説くこと
関連する章句
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『管子』地數桓公管子に問いて曰く、「請う天財の出づる所、地利の在る所を問う」と。管子對えて曰く、「山上に赭有る者は其の下に鐡有り、上に鈆有る者は其の下に銀有り。一に曰く、上に鈆有る者は其の下に鉒銀有り、上に丹沙有る者は其の下に鉒金有り、上に慈石有る者は其の下に銅金有り。此れ山の榮を見わす者なり。茍しくも山の榮を見わす者は、謹んで封じて禁と為す。封山を動かす者有らば、罪は死にして赦さず。令を犯す者有らば、左足入らば、左足を斷ち、右足入らば、右足を斷つ。然らば則ち其れ之を犯すに與すること逺し。此れ天財地利の在る所なり」と。
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『管子』地數桓公曰く、「地數は聞くを得べきか」と。管子對えて曰く、「地の東西は二萬八千里、南北は二萬六千里。其の水を出だす者は八千里、水を受くる者は八千里。銅を出だすの山は四百六十七山、鐵を出だすの山は三千六百九山。此れ壤を分かち榖を樹うる所以なり。戈矛の發する所、刀幣の起こる所なり。能なる者は餘り有り、拙なる者は足らず。泰山に封じ、梁父に禪す、封禪の王七十二家、得失の數は皆な此の内に在り。是れを國用と謂う」と。桓公曰く、「何をか得失の數皆な此に在りと謂う」と。管子對えて曰く、「昔者、桀は天下に霸たるも用足らず、湯は七十里の薄を有ちて用餘り有り。天は獨り湯の為に菽粟を雨らすに非ず、地も獨り湯の為に財物を出だすに非ざるなり。伊尹は善く輕重・開闔・決塞を通移し、髙下徐疾の筴に通ず、坐起の費は、時なり。
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『管子』地數桓公管子に問いて曰く、「天財地利を以て功を立て名を天下に成す者は、誰か子ぞ」と。管子對えて曰く、「文・武是れなり」と。桓公曰く、「此の若き言は何の謂いぞや」と。管子對えて曰く、「夫れ玉は牛氏・邊山に起こり、金は汝・漢の右洿に起こり、珠は赤野の末光に起こる。此れ皆な周を距つること七千八百里、其の涂逺くして至り難し、故に先王各おの其の重に用い、珠玉を上幣と為し、黄金を中幣と為し、刀布を下幣と為す。令疾ければ則ち黄金重く、令徐ければ則ち黄金輕し。先王は其の號令の徐疾を權度し、其の中幣を髙下して、下上の用を制す、則ち文・武是れなり」と。
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『管子』揆度齊の桓公管子に問いて曰く、「燧人より以來、其の大㑹は得て聞くべきか」と。管子對えて曰く、「燧人より以來、輕重を以て天下を為めざるは未だ有らざるなり。共工の王たるや、水處は什の七、陸處は什の三、天勢に乗じて隘を以て天下を制す。黄帝の王たるに至りて、謹んで其の爪牙を逃れしめ、其の器を利くせず、山林を燒き、増藪を破り、沛澤を焚き、禽獸を逐い、實たすに人を益すを以てす、然る後に天下は得て牧すべきなり。堯・舜の王たるに至りて、海内を化する所以の者は、北は禺氏の玉を用い、南は江・漢の珠を貴くす。其の禽獸の仇に勝つは、大夫を以て之に隨わしむ」と。桓公曰く、「何の謂いぞや」と。管子對えて曰く、「諸侯の子の將に質を委ねんとする者をして、皆な雙武の皮を以てし、卿大夫は豹もて飾り、列大夫は豹もて幨せしむ。大夫は其の邑の粟と其の財物とを散じて、以て虎豹の皮を市う。故に山林の人は其の猛獸を刺すこと、親戚の仇に從うが若し。此れ君は朝に冕服して、猛獸は外に勝たれ、大夫は已に其の財物を散じ、萬人は其の流れを受くるを得。此れ堯・舜の數なり」と。
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『管子』揆度桓公管子に問いて曰く、「隂山の馬の駕を具うる者は千乗なり。馬の平賈は萬なり、金の平賈も萬なり。吾に伏金千斤有り、此を為すこと奈何」と。管子對えて曰く、「君請う正籍に與る者をして、皆な幣を以て金に還らしめば、吾れ四萬に至らん。此れ一にして四と為るなり。吾れ埴を埏ね鑪櫜を揺るがして黄金を立つるに非ざるなり、今黄金の重き一にして四と為る者は、數なり。珠は赤野の末光に起こり、黄金は汝・漢水の右衢に起こり、玉は禺氏の邊山に起こる。此れ周を度り去ること七千八百里、其の涂逺く、其の至ること阨し、故に先王は其の重きを度り用いて之に因り、珠玉を上幣と為し、黄金を中幣と為し、刀布を下幣と為す。先王中幣を髙下して、下上の用を利くす。
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『管子』山權數桓公管子に問いて曰く、「請う教數を問う」と。管子對えて曰く、「民の能く農事に明らかなる者は、之に黄金一斤を置く、食八石に直る。民の能く六畜を蕃育する者は、之に黄金一斤を置く、食八石に直る。民の能く樹蓺する者は、之に黄金一斤を置く、食八石に直る。民の能く瓠・葷菜・百果を樹えて蕃袬ならしむる者は、之に黄金一斤を置く、食八石に直る。民の能く民の疾病を己す者は、之に黄金一斤を置く、食八石に直る。民の時を知り、歳且に阨しからんとすと曰い、某の榖は登らずと曰い、某の榖は豐かならんと曰う者は、之に黄金一斤を置く、食八石に直る。民の蠶桑に通じ、蠶をして疾病せざらしむる者は、皆な之に黄金一斤を置く、食八石に直る。謹んで其の言を聽きて之を官に藏し、師旅の事に與る所無からしむ、此れ國筴の者なり。國用は相い靡して足り、相い困揲して然る後に四限の髙下を置き、之を徐疾せしめ、萬物を敺屏し、之を守るに筴を以てす。五官の技有り」と。