管子 / 山權數
桓公問於管子曰:「請問教數。」管子對曰:「民之能明於農事者,置之黄金一斤,直食八石。民之能蕃育六畜者,置之黄金一斤,直食八石。民之能樹蓺者,置之黄金一斤,直食八石。民之能樹瓠葷菜百果使蕃袬者,置之黄金一斤,直食八石。民之能己民疾病者,置之黄金一斤,直食八石。民之知時,曰歳且阨,曰某榖不登,曰某榖豐者,置之黄金一斤,直食八石。民之通於蠶桑,使蠶不疾病者,皆置之黄金一斤,直食八石。謹聽其言而藏之官,使師旅之事無所與,此國筴之者也。國用相靡而足,相困揲而然後置四限髙下,令之徐疾,敺屏萬物,守之以筴,有五官技。」
新字:桓公問於管子曰:「請問教数。」管子対曰:「民之能明於農事者,置之黄金一斤,直食八石。民之能蕃育六畜者,置之黄金一斤,直食八石。民之能樹蓺者,置之黄金一斤,直食八石。民之能樹瓠葷菜百果使蕃袬者,置之黄金一斤,直食八石。民之能己民疾病者,置之黄金一斤,直食八石。民之知時,曰歳且阨,曰某榖不登,曰某榖豊者,置之黄金一斤,直食八石。民之通於蠶桑,使蠶不疾病者,皆置之黄金一斤,直食八石。謹聴其言而蔵之官,使師旅之事無所与,此国筴之者也。国用相靡而足,相困揲而然後置四限高下,令之徐疾,敺屏万物,守之以筴,有五官技。」
書き下し
桓公管子に問いて曰く、「請う教數を問う」と。管子對えて曰く、「民の能く農事に明らかなる者は、之に黄金一斤を置く、食八石に直る。民の能く六畜を蕃育する者は、之に黄金一斤を置く、食八石に直る。民の能く樹蓺する者は、之に黄金一斤を置く、食八石に直る。民の能く瓠・葷菜・百果を樹えて蕃袬ならしむる者は、之に黄金一斤を置く、食八石に直る。民の能く民の疾病を己す者は、之に黄金一斤を置く、食八石に直る。民の時を知り、歳且に阨しからんとすと曰い、某の榖は登らずと曰い、某の榖は豐かならんと曰う者は、之に黄金一斤を置く、食八石に直る。民の蠶桑に通じ、蠶をして疾病せざらしむる者は、皆な之に黄金一斤を置く、食八石に直る。謹んで其の言を聽きて之を官に藏し、師旅の事に與る所無からしむ、此れ國筴の者なり。國用は相い靡して足り、相い困揲して然る後に四限の髙下を置き、之を徐疾せしめ、萬物を敺屏し、之を守るに筴を以てす。五官の技有り」と。
現代語訳
桓公が管子に問うた。教えの数え方について聞きたい。管子が答えた。農事に明るい民には黄金一斤を出します。食に直せば八石にあたる。六畜をよく殖やす民にも黄金一斤、八石にあたる。植え育てるのがうまい民にも黄金一斤、八石。ひょうたんや香りの強い野菜やさまざまな果樹を植えてよく実らせる民にも黄金一斤、八石。民の病を治せる者にも黄金一斤、八石。時を知って、今年は苦しくなる、この穀物は実らない、この穀物は豊かになると言える者にも黄金一斤、八石。養蚕に通じて蚕に病を出させない者にも、みな黄金一斤、八石。その言葉を念入りに聞き取って役所に納め、軍役には就かせない。これが国の手立てというものです。国の入用は互いに融通して足り、互いに調え合って、そのうえで四つの限りの高低を置き、緩急をつけ、万物を追い集めて、手立てで押さえる。そのために五つの官の技があります。
解説
この章句が説くこと
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『管子』山至數桓公曰く、「幣乗馬の數を行うこと奈何」と。管子對えて曰く、「士は資を受くるに幣を以てし、大夫は邑を受くるに幣を以てし、人馬は食を受くるに幣を以てすれば、則ち一國の榖資は上に在り、幣貲は下に在り、國榖の什倍するは、數なり。萬物財物の什の二を去るは、筴なり。皮革・筋角・羽毛・竹箭・器械・財物、茍しくも國器君用に合する者は、皆な矩劵上に有り。君實に鄉州に藏せしめて曰く、『某月某日、茍しくも責を從うる者は、鄉に決し州に決す』と。故に曰く、庸に就くこと一日にして決す、と。國筴は榖より出づ、軌もて國を筴るは、貨幣乗馬なる者なり。今刀布は官府に藏し、巧幣萬物の輕重は皆な賈に在り。彼れ幣重ければ萬物輕く、幣輕ければ萬物重し。彼れ榖重ければ榖輕し。人君榖幣金の衡を操れば、天下定むべきなり。此れ天下を守るの數なり」と。
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『管子』山權數桓公曰く、「善し。吾れ三權の數を行わんと欲す、之を為すこと奈何」と。管子對えて曰く、「梁山の陽の綪絤、夜石の幣は、天下に有る無し」と。管子曰く、「以て國榖を守るに歳ごとに一分を守り、以て五年を行えば、國榖の重は、異日に什倍せん」と。管子曰く、「請う幣を立てん。國の銅は、二年の粟を以て之を顧い、黔落を立て、力重は天下と調う。彼れ重ければ則ち射られ、輕ければ則ち泄る、故に天下と調う。泄るる者は權を失うなり、射らるる者は筴を失うなり。天の權に備えざれば下相い求め、準に備うれば下隂かに相い比す。此れ刑罰の起こる所にして、亂の本なり。故に平らかなれば則ち平らかならず、民富めば則ち貧しきに如かず、委積すれば則ち虚し。此れ三權の失なるのみ」と。
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『管子』山至數桓公又た管子に問いて曰く、「人有りて我に教うるあり、之を請士と謂う。曰く、『何ぞ百能を官せざる』と」と。管子對えて曰く、「何をか百能と謂う」と。桓公曰く、「『智者をして其の智を盡くさしめ、謀士をして其の謀を盡くさしめ、百工をして其の巧を盡くさしむ』と。此くの若くんば、則ち以て國を為むべきか」と。管子對えて曰く、「請士の言は非なり。祿肥ゆれば則ち士は死せず、幣輕ければ則ち士は賞を簡にし、萬物輕ければ則ち士は偷幸す。三怠國に在らば、何の數か之れ有らん。彼れ榖の十は上に藏し、三は下に游べば、謀士は其の慮りを盡くし、智士は其の知を盡くし、勇士は其の死を輕んず。請士の所謂は妄言なり。輕重に通ぜざる、之を妄言と謂う」と。
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『管子』山權數桓公管子に問いて曰く、「權棅の數は、吾れ已に之を聞くを得たり。國を守るの固きは奈何」と。曰く、「能は皆な已に官し、時は皆な已に官し、得失の數、萬物の終始は、君皆な已に之を官せり。其の餘は皆な數を以て行う」と。桓公曰く、「何をか數を以て行うと謂う」と。管子對えて曰く、「榖なる者は、民の司命なり。智なる者は、民の輔なり。民智にして君愚かに、下富みて君貧しく、下貧しくして君富む、此れを之れ事の名二つと謂う。國の機は、徐疾のみ。君の道は、法を度るのみ。人の心は、繆を禁ずるのみ」と。桓公曰く、「何をか法を度ると謂い、何をか繆を禁ずと謂う」と。管子對えて曰く、「法を度る者は、人の力を量りて功を舉ぐるなり。繆を禁ずる者は、往を非とせずして來を戒むるなり。故に禍は萌して通ぜずして、民に患咎無し」と。桓公曰く、「請う心の禁を聞かん」と。管子對えて曰く、「晉に臣の其の君に忠ならざる有り、其の主を殺さんと慮る、之を公過と謂う。諸そ公過の家は、君に事うるを得しむる母かれ、と。此れ晉の過失なり。齊の公過は、坐立長差す。惡を惡みて刑に來らしめ、善を善みて榮に來らしむるは、戒なり。此れを之れ國戒と謂う」と。
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『管子』山權數桓公曰く、「何をか五官の技と謂う」と。管子曰く、「詩なる者は、物を記す所以なり。時なる者は、歳を記す所以なり。春秋なる者は、成敗を記す所以なり。行なる者は、民の利害を道うなり。易なる者は、凶吉成敗を守る所以なり。卜なる者は、凶吉利害を卜うなり。民の能く此くのごとき者は、皆な一馬の田、一金の衣あり。此れ君をして迷妄せざらしむるの數なり。六家なる者は、即ち其の特に豫め先んじて蚤く閒なる日に之を受くるを見わす。故に君は時を失う無く、筴を失う無く、萬物興り豐かにして利を失う無し。逺く得失を占いて以て末教と為し、詩は人を記して辭を失う無く、行は道を殫くして義を失う無く、易は禍福凶吉を守りて相い亂れず、此れを君の棅と謂う」と。
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『管子』山國軌桓公管子に問いて曰く、「請う國を官する軌を問う」と。管子對えて曰く、「田に軌有り、人に軌有り、用に軌有り、鄉に軌有り、人事に軌有り、幣に軌有り、縣に軌有り、國に軌有り。軌數に通ぜずして、國を為めんと欲するは、可ならず」と。桓公曰く、「軌數を行うこと奈何」と。對えて曰く、「某の鄉の田は若干ぞ、人事の準は若干ぞ、榖の重は若干ぞ。曰く、某の縣の人は若干ぞ、田は若干ぞ、幣は若干にして用に中たるか、榖の重は若干にして幣に中たるか。歳を終うるに人の食を度り、其の餘りは若干ぞ。曰く、某の鄉の女の事に勝うる者は歳を終うるまで績む、其の功業は若干ぞ。功業を以て時に直りて之を櫎り、歳を終うるに、人已に衣被するの後、餘れる衣は若干ぞ。羣軌を别かちて壤の宜しきを相る」と。桓公曰く、「何をか羣軌を别かち、壤の宜しきを相ると謂う」と。管子對えて曰く、「莞蒲の壤有り、竹箭檀柘の壤有り、汜下漸澤の壤有り、水潦魚鼈の壤有り。今四壤の數、君皆な善く官して之を守れば、則ち財物に籍りて、人に籍らず。畆十畆の壤、君軌を以て守らざれば、則ち民且に之を守らんとす。民に移り過ぎて力を長ずる有り、本を以て得と為さざるは、此れ君の失なり」と。