管子 / 山至數
桓公問管子曰:「今有海内,縣諸侯,則國勢不用已乎?」管子對曰:「今以諸侯為䇡,公州之飾焉。以乗四時,行捫牢之筴,以東西南北相彼,用平而準。故曰:為諸侯,則髙下萬物,以應諸侯。徧有天下,則賦幣以守萬物之朝夕,調而已利。有足則行,不滿則有止。王者鄉州以時察之,故利不相傾,縣死其所,君守大奉一,謂之國簿。」
新字:桓公問管子曰:「今有海内,県諸侯,則国勢不用已乎?」管子対曰:「今以諸侯為䇡,公州之飾焉。以乗四時,行捫牢之筴,以東西南北相彼,用平而準。故曰:為諸侯,則高下万物,以応諸侯。遍有天下,則賦幣以守万物之朝夕,調而已利。有足則行,不満則有止。王者鄉州以時察之,故利不相傾,県死其所,君守大奉一,謂之国簿。」
書き下し
桓公管子に問いて曰く、「今海内を有ち、諸侯を縣くれば、則ち國勢は用いざるのみか」と。管子對えて曰く、「今諸侯を以て䇡と為し、公州之を飾る。以て四時に乗じ、捫牢の筴を行い、以て東西南北相い彼れとし、用いて平らかにして準ず。故に曰く、諸侯と為れば、則ち萬物を髙下して、以て諸侯に應ず。徧く天下を有てば、則ち幣を賦して以て萬物の朝夕を守り、調えて已に利あり。足る有れば則ち行い、滿たざれば則ち止まる有り。王者は鄉州もて時を以て之を察す、故に利は相い傾かず、縣は其の所に死し、君は大を守りて一を奉ず、之を國簿と謂う」と。
現代語訳
桓公が管子に問うた。いま国じゅうを保ち、諸侯を従えていれば、国の形勢など用いなくてよいのではないか。管子が答えた。いま諸侯を枠として、公の州がそれを整えます。四季に乗り、家畜を数える手立てを行い、東西南北を互いに向かい合わせ、用いて平らにし水準に合わせる。だからいう、一諸侯であれば万物の値を上げ下げして諸侯に応じる。あまねく天下を保てば、銭を配って万物の朝夕の値を守り、整えればそれで利がある。足りていれば動き、満たなければ止まる。王者は郷や州を時に応じて見て回る。だから利は一方に傾かず、県はそれぞれの持ち場を守り、君は大きなところを押さえて一つを奉じる。これを国の帳簿といいます。
解説
この章句が説くこと
関連する章句
-
孟子・離婁章句下曾子、武城に居る。越の寇有り。或ひと曰く、「寇至る、盍ぞ諸を去らざるや。」曰く、「人を我が室に寓し、其の薪木を毀傷すること無かれ。」寇退けば、則ち曰く、「我が牆屋を修めよ。我將に反らんとす。」寇退き、曾子反る。左右曰く、「先生を待つこと、此の如く其れ忠にして且つ敬なり。寇至れば、則ち先づ去りて以て民の望みを為し、寇退けば則ち反る。不可なるに殆(ちかい)し。」沈猶行曰く、「是れ汝の知る所に非ざるなり。昔、沈猶、負芻の禍い有り。先生に従う者七十人、未だ與ること有らず。」子思、衛に居る。齊の寇有り。或ひと曰く、「寇至る。盍そ諸を去らざるや。」子思曰く、「如し伋去らば、君誰と與にか守らん。」孟子曰く、「曾子・子思は道を同じくす。曾子は師なり、父兄也なり。子思は臣なり、微なり。曾子・子思、地を易うれば則ち皆然り。」
-
言志四録・南洲手抄晦に処る者は能く顕を見る。顕に拠る者は晦を見ず。
-
『鬼谷子』謀篇計謀の用は、公は私に如かず、私は結ぶに如かず。結び比びて隙無き者なり。正は竒に如かず。竒は流れて止まらざる者なり。故に人主を說く者は、必ず之と奇を言い、人臣を說く者は、必ず之と私を言う。其の身は内にして、其の言外なる者は疏んぜられ、其の身は外にして、其の言深き者は危うし。人の欲せざる所を以て人に强うる無かれ。人の知らざる所を以て人に教うる無かれ。人に好む有るや、學びて之に順い、人に惡む有るや、避けて之を諱む。
-
『韓非子』備內第十七輿人、輿を成せば則ち人の富貴ならんことを欲し、匠人、棺を成せば、則ち人の夭死せんことを欲す。
-
論語・述而篇冉有曰く、「夫子は衛君を為けんか。」子貢曰く、「諾、吾将に之を問わんとす。」入りて曰く、「伯夷・叔斉は何人ぞや。」曰く、「古の賢人なり。」曰く、「怨みたるか。」曰く、「仁を求めて仁を得たり、又何をか怨みん。」出でて曰く、「夫子は為けざるなり。」
-
孫子・虚実篇故に前に備うれば則ち後寡なく、後に備うれば則ち前寡なし。左に備うれば則ち右寡なく、右に備うれば則ち左寡なし。備えざる所無ければ、則ち寡なからざる所無し。寡なき者は人に備うる者なり、衆き者は人をして己に備えしむる者なり。