管子 / 山至數
桓公問於管子曰:「準衡、輕重、國㑹,吾得聞之矣。請問縣數。」管子對曰:「狼牡以至於馮㑹之日,龍夏以北至于海莊,禽獸羊牛之地也,何不以此通國筴哉!」桓公曰:「何謂通國筴?」管子對曰:「馮市門一吏書贅直事,若其事唐圉牧食之人,養視不失扞殂者,去其都秩,與其縣秩。大夫不鄉贅合游者,謂之無禮義,大夫幽其春秋,列民幽其門山之祠,馮㑹、龍夏牛羊犧牲月賈十倍異日。此出諸禮義,籍於無用之地,因捫牢筴也,謂之通。」
新字:桓公問於管子曰:「準衡、軽重、国会,吾得聞之矣。請問県数。」管子対曰:「狼牡以至於馮会之日,竜夏以北至于海荘,禽獣羊牛之地也,何不以此通国筴哉!」桓公曰:「何謂通国筴?」管子対曰:「馮市門一吏書贅直事,若其事唐圉牧食之人,養視不失扞殂者,去其都秩,与其県秩。大夫不鄉贅合游者,謂之無礼義,大夫幽其春秋,列民幽其門山之祠,馮会、竜夏牛羊犠牲月賈十倍異日。此出諸礼義,籍於無用之地,因捫牢筴也,謂之通。」
書き下し
桓公管子に問いて曰く、「準衡・輕重・國㑹は、吾れ之を聞くを得たり。請う縣數を問う」と。管子對えて曰く、「狼牡より以て馮㑹の日に至り、龍夏より北のかた海莊に至るは、禽獸羊牛の地なり、何ぞ此を以て國筴に通ぜざるや」と。桓公曰く、「何をか國筴に通ずと謂う」と。管子對えて曰く、「馮の市門に一吏あり、贅を書して事に直る。若し其の事、唐圉牧食の人にして、養視して扞殂を失わざる者は、其の都秩を去りて、其の縣秩に與らしむ。大夫の鄉贅合游せざる者は、之を禮義無しと謂う。大夫は其の春秋を幽くし、列民は其の門山の祠を幽くす。馮㑹・龍夏の牛羊犧牲は、月の賈異日に十倍す。此れ諸を禮義に出だし、無用の地に籍り、捫牢の筴に因るなり、之を通と謂う」と。
現代語訳
桓公が管子に問うた。釣り合いと値の上げ下げと国の勘定は、もう聞かせてもらった。県の数え方について聞きたい。管子が答えた。狼牡から馮会の日にかけて、龍夏から北の海荘に至るあたりは、鳥獣や羊や牛の地です。どうしてそれを国の手立てにつながないのですか。桓公が言った。国の手立てにつなぐとはどういうことか。管子が答えた。馮の市の門に役人を一人置き、届け出を書きとらせて仕事にあたらせます。もしその仕事が家畜を飼い養う者で、世話を怠らず死なせない者であれば、都での位を離れて県の位に就かせる。郷の集まりに顔を出さない大夫は、礼義がないといわれる。大夫は春秋の祭りを慎み、民は門や山の祠を慎む。すると馮会や龍夏の牛や羊の犠牲は、ひと月の値が以前の十倍になります。これは礼義のほうから出発して、使い道のない土地にかけ、家畜を数える手立てに拠るものです。これをつなぐといいます。
解説
この章句が説くこと
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『管子』山至數桓公管子に問いて曰く、「請う國㑹を問う」と。管子對えて曰く、「君大夫を失えば伍無しと為し、民を失えば下を失うと為す。故に大夫を守るに縣の筴を以てし、一縣を守るに一鄉の筴を以てし、一鄉を守るに一家の筴を以てし、家を守るに一人の筴を以てす」と。桓公曰く、「其の㑹數は奈何」と。管子對えて曰く、「幣準の數は、一縣には必ず一縣の中田の筴有り、一鄉には必ず一鄉の中田の筴有り、一家には必ず一家の人に直るの用有り。故に時を以て守らざれば、郡は與する無しと為し、時を以て守らざれば、鄉は伍無しと為す」と。桓公曰く、「此を行うこと奈何」と。管子對えて曰く、「王者は民に藏し、霸者は大夫に藏し、殘國亡家は篋に藏す」と。
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『管子』山至數桓公管子に問いて曰く、「特我に命じて曰く、『天子は三百領、泰だ嗇にして散ず。大夫は此に准じて行う』と。此れ如何」と。管子曰く、「法家に非ざるなり。大夫其の壟を髙くし、其の室を美にす、此れ農事及び市庸を奪う、此れ國を便にするの道に非ざるなり。民は織を以て縿綃と為すを得ずして、之を地に貍む。彼の善く國を為むる者は、時に乗じて徐疾するのみ、之を國㑹と謂う」と。
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『管子』山至數桓公管子に問いて曰く、「今海内を有ち、諸侯を縣くれば、則ち國勢は用いざるのみか」と。管子對えて曰く、「今諸侯を以て䇡と為し、公州之を飾る。以て四時に乗じ、捫牢の筴を行い、以て東西南北相い彼れとし、用いて平らかにして準ず。故に曰く、諸侯と為れば、則ち萬物を髙下して、以て諸侯に應ず。徧く天下を有てば、則ち幣を賦して以て萬物の朝夕を守り、調えて已に利あり。足る有れば則ち行い、滿たざれば則ち止まる有り。王者は鄉州もて時を以て之を察す、故に利は相い傾かず、縣は其の所に死し、君は大を守りて一を奉ず、之を國簿と謂う」と。
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『管子』事語桓公管子に問いて曰く、「事の至數は聞くを得べきか」と。管子對えて曰く、「何をか至數と謂う」と。桓公曰く、「秦奢我に教えて曰く、『帷葢修めず、衣服衆からざれば、則ち女事泰かならず。俎豆の禮に牲を致さず、諸侯は太牢、大夫は少牢とす。此くの若くならざれば、則ち六畜育たず。其の臺榭を髙くし、其の宫室を美にするに非ざれば、則ち羣材散ぜず』と。此の言は何如」と。管子曰く、「數に非ざるなり」と。桓公曰く、「何をか數に非ずと謂う」と。管子對えて曰く、「此れ定壤の數なり。彼の天子の制は、壤方千里、齊の諸侯は方百里、負海の子は七十里、男は五十里、胷臂の相い使うが若きなり、故に準・徐疾・贏不足は、下に在りと雖も、君の憂いと為らず。彼の壤狹くして大國と爭うを舉げんと欲する者は、農夫は寒に耕し暑に芸り、力を上に歸し、女は緝績徽織に勤め、功を府に歸する者なり、民心を怨み、民意を傷るに非ざるなり。積蓄有るに非ざれば、以て人を用うべからず。積財有るに非ざれば、以て下を勸むる無し。秦奢の數は、危隘の國に用うべからず」と。桓公曰く、「善し」と。
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『管子』山至數桓公曰く、「幣乗馬の數を行うこと奈何」と。管子對えて曰く、「士は資を受くるに幣を以てし、大夫は邑を受くるに幣を以てし、人馬は食を受くるに幣を以てすれば、則ち一國の榖資は上に在り、幣貲は下に在り、國榖の什倍するは、數なり。萬物財物の什の二を去るは、筴なり。皮革・筋角・羽毛・竹箭・器械・財物、茍しくも國器君用に合する者は、皆な矩劵上に有り。君實に鄉州に藏せしめて曰く、『某月某日、茍しくも責を從うる者は、鄉に決し州に決す』と。故に曰く、庸に就くこと一日にして決す、と。國筴は榖より出づ、軌もて國を筴るは、貨幣乗馬なる者なり。今刀布は官府に藏し、巧幣萬物の輕重は皆な賈に在り。彼れ幣重ければ萬物輕く、幣輕ければ萬物重し。彼れ榖重ければ榖輕し。人君榖幣金の衡を操れば、天下定むべきなり。此れ天下を守るの數なり」と。
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『管子』山至數大夫は壤を聚めて封じ、實を積みて上に驕る、請う之を奪うに㑹を以てせん」と。桓公曰く、「何をか之を奪うに㑹を以てすと謂う」と。管子對えて曰く、「粟の三分は上に在り、民萌をして皆な上の粟を受けしめ、君の藏を度るを謂うなり。五榖相い靡して重く、什の三を去りて餘りと為し、國幣を以て榖の准を反行すれば、大夫は重きに什する無し。君幣を以て祿を賦すれば、什は上に在り。君榖を出だすこと什にして七を去る。君は三を歛め、上は七を賦す。散じて資らざる者を振うは、仁義なり。五榖相い靡して輕きは、數なり。鄉を以て重きを完うして國に籍するは、數なり。實財を出だし、仁義を散じ、萬物輕きは、數なり。時に乗じて進退す。故に曰く、王者は時に乗じ、聖人は易に乗ず」と。桓公曰く、「善し」と。