管子 / 山國軌
桓公曰:「何謂四務?」管子對曰:「泰春,民之且所用者,君已廩之矣。泰夏,民之且所用者,君已廩之矣。泰秋,民之且所用者,君已廩之矣。泰冬,民之且所用者,君已廩之矣。泰春功布日,春縑衣,夏單衣,捍寵纍箕勝籯屑糗若干日之功,用人若干。無貲之家,皆假之械器勝籯屑糗公衣。功已而歸公,衣折劵故力出於民,而用出於上。春十日不害耕事,夏十日不害芸事,秋十日不害歛實,冬二十日不害除田。此之謂時作。」
新字:桓公曰:「何謂四務?」管子対曰:「泰春,民之且所用者,君已廩之矣。泰夏,民之且所用者,君已廩之矣。泰秋,民之且所用者,君已廩之矣。泰冬,民之且所用者,君已廩之矣。泰春功布日,春縑衣,夏単衣,捍寵纍箕勝籯屑糗若干日之功,用人若干。無貲之家,皆仮之械器勝籯屑糗公衣。功已而帰公,衣折劵故力出於民,而用出於上。春十日不害耕事,夏十日不害芸事,秋十日不害歛実,冬二十日不害除田。此之謂時作。」
書き下し
桓公曰く、「何をか四務と謂う」と。管子對えて曰く、「泰春、民の且に用いんとする所の者は、君已に之を廩す。泰夏、民の且に用いんとする所の者は、君已に之を廩す。泰秋、民の且に用いんとする所の者は、君已に之を廩す。泰冬、民の且に用いんとする所の者は、君已に之を廩す。泰春に功を布く日、春の縑衣、夏の單衣、捍寵纍箕勝籯屑糗、若干日の功、人を用うること若干。貲無きの家には、皆な之に械器・勝籯・屑糗・公衣を假す。功已りて公に歸し、衣は劵を折る。故に力は民より出でて、用は上より出づ。春は十日にして耕事を害せず、夏は十日にして芸事を害せず、秋は十日にして歛實を害せず、冬は二十日にして除田を害せず。此れを之れ時作と謂う」と。
現代語訳
桓公が言った。四つの務めとは何か。管子が答えた。春の盛りに民がこれから使うものは、君がすでに用立ててある。夏の盛りに民がこれから使うものも、君がすでに用立ててある。秋の盛りも冬の盛りも同じです。春の盛りに仕事を割り当てる日には、春の絹の衣、夏の単衣、荷を担う具や籠や干し飯、何日分の仕事に何人を使うかを決めます。財のない家には、道具も籠も干し飯も公の衣もみな貸し与える。仕事が終われば公に返し、衣は証文を破って帳消しにする。だから力は民から出て、入用は上から出るのです。春は十日で耕作を妨げず、夏は十日で草取りを妨げず、秋は十日で取り入れを妨げず、冬は二十日で田の手入れを妨げない。これを時に応じた仕事といいます。
解説
この章句が説くこと
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『管子』山國軌桓公管子に問いて曰く、「籍らずして國を贍すに、之を為すに道有りや」と。管子對えて曰く、「軌もて其の時を守り、天財を官する有らば、何ぞ民に求めん」と。桓公曰く、「何をか天財を官すと謂う」と。管子對えて曰く、「泰春は、民の功䌛なり。泰夏は、民の令の止まる所、令の發する所なり。泰秋は、民の令の止まる所、令の發する所なり。泰冬は、民の令の止まる所、令の發する所なり。此れ皆な民の時を以て守る所なり。此れ物の髙下の時なり。此れ民の相い并兼する所以の時なり。君は諸を四務に守る」と。
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『管子』輕重乙桓公管子に問いて曰く、「衡に數有りや」と。管子對えて曰く、「衡に數無きなり。衡なる者は、物をして一たび髙く一たび下らしめ、常固なるを得ざらしむ」と。桓公曰く、「然らば則ち衡數は調うべからざるか」と。管子對えて曰く、「調うべからず。調うれば則ち澄み、澄めば則ち常なり、常なれば則ち髙下貳ならず、髙下貳ならざれば則ち萬物は得て使い固くすべからず」と。桓公曰く、「然らば則ち何を以て時を守らん」と。管子對えて曰く、「夫れ歳に四秋有りて、分に四時有り。故に曰く、農事且に作らんとす、請う什伍の農夫を以て耜鐵を賦せん、此れを之れ春の秋と謂う。大夏且に至らんとし、絲纊の作る所、此れを之れ夏の秋と謂う。而して大秋成り、五榖の㑹する所、此れを之れ秋の秋と謂う。大冬營室中し、女事紡績緝縷の作る所なり、此れを之れ冬の秋と謂う。故に歳に四秋有りて、分に四時有り。已に四者の序有らば、號を發し令を出だせば、物の輕重は相い什して相い伯す。故に物は常固なるを得ず、故に曰く衡に數無しと」と。
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『管子』度地夏三月に當たりては、天地の氣壯んに、大暑至り、萬物榮華す。以て疾く草薉を殺すに利あり、令をして擾さんと欲せざらしむ、命じて不長と曰う。土功の事を作すに利あらず、農に放かしむ。利皆な十分の五を耗し、土功成らず。秋三月に當たりては、山川百泉踊り、雨降り下り、山水出で、海路距たり、雨露屬き、天地湊汐す。以て疾く作して収斂し留むる毋きに利あり。一日に把れば、百日に餔らう。民男女と無く、皆な野に行く。土功の事を作すに利あらず。濡濕日に生じ、土弱くして成り難く、利は什分の六を耗し、土工の事も亦た立たず。冬三月に當たりては、天地閉藏し、暑雨止み、大寒起こり、萬物實り熟す。以て空郄を填塞し、邊城を繕い、郭術を塗り、度量を平らかにし、權衡を正し、牢獄を虚しくし、廥倉を實たすに利あり。君は樂を修め、神明と相望む。凡そ一年の事畢わる。功有るを舉げ、賢を賞し、罪有るを罰し、有司の吏を遷して之を第す。土工の事を作すに利あらず、利は什分の七を耗し、土剛くして立たず。晝日に益々短く、夜日に益々長し、以て室を作すに利あり、以て堂を作すに利あらず。四時以て得れば、四害皆な服す。」
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『管子』輕重甲桓公曰く、「此の若き言は何の謂いぞや」と。管子對えて曰く、「山林菹澤草萊なる者は、薪蒸の出づる所、犧牲の起こる所なり。故に民をして之を求めしめ、民をして之を藉らしめ、因りて以て之に給す。私かに之を民に愛すること、弟の兄に與けるが若く、子の父に與けるがごとし、然る後に以て財を通じ殷を交うべきなり。故に請う君の游財を取りて、邑里に之を布積せん。陽春、蠶桑且に至らんとす、請う以て其の口食曲の彊に給せん。此くの若くんば、則ち絓絲の籍は分を去りて斂まらん。且つ四方の至らざるは、六時之を制す。春日には耜を倳て、次日には麥を獲り、次日には芋を薄し、次日には麻を樹え、次日には菹を絶ち、次日には大雨且に至らんとして、芸壅培を趣す。六時之を制すれば、臣給して國都に至る。善き者は鄉ごとに其の輕重に因り、其の委廬を守る、故に事至りて妄ならず、然る後に以て立ちて天下の王と為るべし」と。
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『管子』山國軌桓公曰く、「軌の意は安くにか出づる」と。管子對えて曰く、「隂かに其の軌に據らざれば、皆な下其の上を制す」と。桓公曰く、「此の若き言は何の謂いぞや」と。管子對えて曰く、「某の鄉の田は若干ぞ、食らう者は若干ぞ。某の鄉の女事は若干ぞ、餘れる衣は若干ぞ。謹んで州里を行きて曰く、『田は若干ぞ、人は若干ぞ、人衆くして田の食を度らざること若干ぞ』と。曰く、『田は若干ぞ、餘れる食は若干ぞ』と。必ず軌程を得ん。此れを之れ泰軌と謂うなり。然る後に調えて環乗の幣を立つ。田軌の其の人の食に餘り有る者は、謹んで公幣を置く。大家は衆く、小家は寡なし。山田間田には曰く、歳を終うるに其の食其の人に足らざること若干ぞ、則ち公幣を置きて、以て其の準を滿たす。重ねて歳豐年にして、五榖登る。髙田の萌に謂いて曰く、『吾が子に幣を寄する所の者は若干、鄉の榖の櫎は若干、請う子の為に什に三を減ぜん』と。榖を上と為し、幣を下と為す。髙田は間田を撫す。山は榖を被らざること山田に十倍す、君の寄幣を以て、其の贍らざるを振うも、未だ淫失せざるなり。髙田は時を以て主上に撫せられ、坐ながらに長じて十を加うるなり。
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『管子』山國軌桓公管子に問いて曰く、「請う國を官する軌を問う」と。管子對えて曰く、「田に軌有り、人に軌有り、用に軌有り、鄉に軌有り、人事に軌有り、幣に軌有り、縣に軌有り、國に軌有り。軌數に通ぜずして、國を為めんと欲するは、可ならず」と。桓公曰く、「軌數を行うこと奈何」と。對えて曰く、「某の鄉の田は若干ぞ、人事の準は若干ぞ、榖の重は若干ぞ。曰く、某の縣の人は若干ぞ、田は若干ぞ、幣は若干にして用に中たるか、榖の重は若干にして幣に中たるか。歳を終うるに人の食を度り、其の餘りは若干ぞ。曰く、某の鄉の女の事に勝うる者は歳を終うるまで績む、其の功業は若干ぞ。功業を以て時に直りて之を櫎り、歳を終うるに、人已に衣被するの後、餘れる衣は若干ぞ。羣軌を别かちて壤の宜しきを相る」と。桓公曰く、「何をか羣軌を别かち、壤の宜しきを相ると謂う」と。管子對えて曰く、「莞蒲の壤有り、竹箭檀柘の壤有り、汜下漸澤の壤有り、水潦魚鼈の壤有り。今四壤の數、君皆な善く官して之を守れば、則ち財物に籍りて、人に籍らず。畆十畆の壤、君軌を以て守らざれば、則ち民且に之を守らんとす。民に移り過ぎて力を長ずる有り、本を以て得と為さざるは、此れ君の失なり」と。