管子 / 度地
當夏三月,天地氣壯,大暑至,萬物榮華,利以疾殺草薉,使令不欲擾,命曰不長。不利作土功之事,放農焉。利皆耗十分之五,土功不成。當秋三月,山川百泉踊,降雨下,山水出,海路距,雨露屬,天地湊汐,利以疾作収斂毋留。一日把,百日餔,民毋男女,皆行於野,不利作土功之事。濡濕日生,土弱難成,利耗什分之六,土工之事亦不立。當冬三月,天地閉藏,暑雨止,大寒起,萬物實熟,利以填塞空郄,繕邊城,塗郭術,平度量,正權衡,虚牢獄,實廥倉。君修樂,與神明相望。凢一年之事畢矣。舉有功,賞賢,罰有罪,遷有司之吏而第之。不利作土工之事,利耗什分之七,土剛不立。晝日益短,而夜日益長,利以作室,不利以作堂。四時以得,四害皆服。」
新字:当夏三月,天地気壮,大暑至,万物栄華,利以疾殺草薉,使令不欲擾,命曰不長。不利作土功之事,放農焉。利皆耗十分之五,土功不成。当秋三月,山川百泉踊,降雨下,山水出,海路距,雨露属,天地湊汐,利以疾作収斂毋留。一日把,百日餔,民毋男女,皆行於野,不利作土功之事。濡湿日生,土弱難成,利耗什分之六,土工之事亦不立。当冬三月,天地閉蔵,暑雨止,大寒起,万物実熟,利以填塞空郄,繕辺城,塗郭術,平度量,正権衡,虚牢獄,実廥倉。君修楽,与神明相望。凢一年之事畢矣。舉有功,賞賢,罰有罪,遷有司之吏而第之。不利作土工之事,利耗什分之七,土剛不立。昼日益短,而夜日益長,利以作室,不利以作堂。四時以得,四害皆服。」
書き下し
夏三月に當たりては、天地の氣壯んに、大暑至り、萬物榮華す。以て疾く草薉を殺すに利あり、令をして擾さんと欲せざらしむ、命じて不長と曰う。土功の事を作すに利あらず、農に放かしむ。利皆な十分の五を耗し、土功成らず。秋三月に當たりては、山川百泉踊り、雨降り下り、山水出で、海路距たり、雨露屬き、天地湊汐す。以て疾く作して収斂し留むる毋きに利あり。一日に把れば、百日に餔らう。民男女と無く、皆な野に行く。土功の事を作すに利あらず。濡濕日に生じ、土弱くして成り難く、利は什分の六を耗し、土工の事も亦た立たず。冬三月に當たりては、天地閉藏し、暑雨止み、大寒起こり、萬物實り熟す。以て空郄を填塞し、邊城を繕い、郭術を塗り、度量を平らかにし、權衡を正し、牢獄を虚しくし、廥倉を實たすに利あり。君は樂を修め、神明と相望む。凡そ一年の事畢わる。功有るを舉げ、賢を賞し、罪有るを罰し、有司の吏を遷して之を第す。土工の事を作すに利あらず、利は什分の七を耗し、土剛くして立たず。晝日に益々短く、夜日に益々長し、以て室を作すに利あり、以て堂を作すに利あらず。四時以て得れば、四害皆な服す。」
現代語訳
夏三月にあたっては、天地の気が盛んで、大暑が来て、万物は花咲き栄える。素早く雑草を刈るのに都合がよく、令はかき乱さないようにさせる。これを長じさせないという。土木の仕事をするには向かず、農にまかせる。利はみな十分の五を損ない、土木は成らない。秋三月にあたっては、山川の泉が湧き、雨が降り、山の水が出て、海の路は隔たり、雨と露が続き、天地は潮のように寄せる。素早く働いて収め、留めずにおくのに都合がよい。一日で握れば、百日食べられる。民は男も女もみな野に出る。土木の仕事には向かない。湿りが日ごとに生じ、土は弱くて固まらず、利は十分の六を損ない、土木は立たない。冬三月にあたっては、天地は閉じて蔵し、暑さと雨は止み、大寒が起こり、万物は実って熟す。空いた隙間を埋め、辺境の城を繕い、郭の道を塗り、度と量を平らかにし、秤を正し、牢獄を空にし、倉を満たすのに都合がよい。君は楽を整え、神明と向かい合う。これで一年の事は終わる。功ある者を挙げ、賢者を賞し、罪ある者を罰し、役人を移して序列を定める。土木の仕事には向かず、利は十分の七を損ない、土は堅くて立たない。昼は日ごとに短く、夜は日ごとに長い。部屋を作るのには向き、堂を作るのには向かない。四季をこのように得れば、四つの害はみな従う。
解説
この章句が説くこと
関連する章句
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『管子』禁藏五正を發し、薄罪を赦し、拘民を出だし、仇讎を解くは、時功を建て、生榖を施す所以なり。夏は五德を賞し、爵祿を滿たし、官位を遷し、孝弟を禮し、賢力を復するは、功を勸むる所以なり。秋は五刑を行い、大罪を誅するは、淫邪を禁じ、盜賊を止むる所以なり。冬は五藏を收め、萬物を最むるは、内に民を作す所以なり。四時の事備わりて、民の功百倍す。故に春は仁、夏は忠、秋は急、冬は閉、天の時に順い、地の宜を約し、人の和に忠なり。故に風雨時に、五榖實り、草木美しく多く、六畜蕃息し、國富み兵彊く、民材ありて令行われ、内に煩擾の政無く、外に彊敵の患い無し。夫れ動静順いて然る後に和すなり。其の時を失わずして然る後に富み、其の法を失わずして然る後に治まる。故に國は虚しくは富まず、民は虚しくは治まらず。治まらずして昌え、亂れずして亡ぶる者は、古より今に至るまで、未だ嘗て有らざるなり。
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『管子』度地桓公曰く、「寡人悖なり、四害の服するを知らず、奈何」と。管仲對えて曰く、「冬に土功を作し、地藏を發けば、則ち夏に暴雨多く、秋霖止まず。春に枯骨朽脊を収めず、枯木を伐りて之を去らざれば、則ち夏旱至らん。夏に大露有り、原煙噎し、百草に下る、人采りて之を食えば、人を傷り、人多く疾病して止まず。民乃ち恐殆す。君五官の吏と、三老・里有司・伍長とに令して、里を行きて之に順い、之に令して家ごとに火を起こして其の田を温めしめ、及び宫中皆な井を蓋わしめ、毒をして下りて食器に及ばしむる毋かれ、將に飲みて人を傷らんとす。下蟲有りて禾稼を傷る。凡そ天菑の害の下るや、君子は謹みて之を避く、故に九死に入らざるなり。大寒大暑、大風大雨、其の至ること時ならざる者、此れを四刑と謂う。或いは遇いて以て死し、或いは遇いて以て生く、君子は之を避く、是れ亦た人を傷るなり。故に吏なる者は、順を教うる所以なり。三老・里有司・伍長なる者は、率を為す所以なり。五者已に具わりて、民に願う者無し、其の畢わるを願うなり。故に常に冬日を以て、三老・里有司・伍長に順い、冬を以て賞罰し、各おの其の賞に應じて其の罰に服せしむ。五者害す可からざれば、則ち君の法犯さる。此れ民に示して見易し、故に民比せざるなり」と。
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『管子』四時中央は土と曰い、土德は實に四時を輔け、入出するに風雨を以てす。土を節すれば力を益し、土は皮肌膚を生ず。其の德は和平にして用うるに均しく、中正にして私無く、實に四時を輔く。春は嬴育し、夏は養長し、秋は聚收し、冬は閉藏す。大寒乃ち極まりて、國家乃ち昌え、四方乃ち服す、此れを嵗德と謂う。日は賞を掌り、賞は暑と為る。嵗は和を掌り、和は雨と為る。夏に春の政を行えば則ち風あり、秋の政を行えば則ち水あり、冬の政を行えば則ち落つ。是の故に夏三月、丙丁の日を以て五政を發す。一政に曰く、功有るを求め、勞力を發する者を舉ぐ。二政に曰く、久墳を開き、故屋を發き、故窌を辟きて以て假貸す。三政に曰く、扇を禁じ笠を去り、扱免する毋く、急漏の田廬を除くを令す。四政に曰く、德有るを求め、民に布施する者に賜いて之を賞す。五政に曰く、罝を設けて禽獸をとるを禁じ、飛鳥を殺す毋からしむ。五政苟しくも時なれば、夏雨乃ち至るなり。
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『管子』四時然らば則ち春夏秋冬將に何をか行わんとする。東方は星と曰い、其の時は春と曰い、其の氣は風と曰う。風は木と骨とを生じ、其の德は嬴つを喜びて節時を發出す。其の事は號令し、神位を脩除し、謹みて禱りて梗を弊う。宗は陽を正し、隄防を治め、耕芸樹藝し、津梁を正し、溝瀆を脩め、屋を甃きて水を行らせ、怨を解き罪を赦し、四方に通ず。然らば則ち柔風甘雨乃ち至り、百姓乃ち壽く、百蟲乃ち蕃る、此れを星德と謂う。星なる者は發を掌りて風と為す。是の故に春に冬の政を行えば則ち雕み、秋の政を行えば則ち霜り、夏の政を行えば則ち欲す。是の故に春三月、甲乙の日を以て五政を發す。一政に曰く、幼孤を論じ、有罪を舍す。二政に曰く、爵列を賦し、祿位を授く。三政に曰く、凍解くれば、溝瀆を脩め、亡人を復す。四政に曰く、險阻を端し、封疆を脩め、千伯を正す。五政に曰く、麑夭を殺す無く、華を蹇き芉を絶つ毋かれ。五政苟しくも時なれば、春雨乃ち來たる。
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『管子』四時道は天地を生じ、德は賢人より出づ。道は德を生じ、德は正を生じ、正は事を生ず。是を以て聖王の天下を治むるや、窮まれば則ち反り、終われば則ち始まる。德は春に始まり、夏に長ず。刑は秋に始まり、冬に流る。刑德失わざれば、四時一の如し。刑德鄉を離るれば、時乃ち逆行す。事を作して成らず、必ず大殃有り。月に三政有り、王事必ず理まる。以て乆長と為し、中らざる者は死し、理を失う者は亡ぶ。國に四時有り、固く王事を執る。四守所有り、三政執りて輔く。
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『管子』四時北方は月と曰い、其の時は冬と曰い、其の氣は寒と曰う。寒は水と血とを生じ、其の德は淳越、温怒周密なり。其の事は號令し、禁徙を脩め、民をして静止せしむれば、地乃ち泄れず。刑を斷じ罰を致し、有罪を赦す無く、以て隂氣に符す。大寒乃ち至り、甲兵乃ち强く、五榖乃ち熟し、國家乃ち昌え、四方乃ち備わる、此れを月德と謂う。月は罰を掌り、罰は寒と為る。冬に春の政を行えば則ち泄れ、夏の政を行えば則ち靁あり、秋の政を行えば則ち旱す。是の故に冬三月、壬癸の日を以て五政を發す。一政に曰く、孤獨を論じ長老を恤む。二政に曰く、善く隂に順い、神祀を脩め、爵祿を賦し、備位を授く。三政に曰く、㑹計を效し、山川の藏を發く毋かれ。四政に曰く、姦遁を捕え、盜賊を得る者に賞有り。五政に曰く、遷徙を禁じ、流民を止め、分異を圉ぐ。五政苟しくも時なれば、冬事過たず、求むる所必ず得、惡む所必ず伏す。