管子 / 版法解
乘夏方長,審治刑賞,必明經紀。陳義設法,斷事以理,虚氣平心,乃去怒喜。若倍法棄令而行怒喜,禍亂乃生,上位乃殆。故曰:「喜無以賞,怒無以殺。喜以賞,怒以殺,怨乃起,令乃廢。驟令而不行,民心乃外。外之有徒,禍乃始牙。衆之所忿,寡不能圖。」
新字:乗夏方長,審治刑賞,必明経紀。陳義設法,断事以理,虚気平心,乃去怒喜。若倍法棄令而行怒喜,禍乱乃生,上位乃殆。故曰:「喜無以賞,怒無以殺。喜以賞,怒以殺,怨乃起,令乃廃。驟令而不行,民心乃外。外之有徒,禍乃始牙。衆之所忿,寡不能図。」
書き下し
夏に乘じて方に長ずるとき、刑賞を審治し、必ず經紀を明らかにす。義を陳ね法を設け、事を斷ずるに理を以てし、氣を虚しくし心を平らかにして、乃ち怒喜を去る。若し法に倍き令を棄てて怒喜を行えば、禍亂乃ち生じ、上位乃ち殆うし。故に曰く、「喜びて以て賞する無かれ、怒りて以て殺す無かれ。喜びて以て賞し、怒りて以て殺せば、怨乃ち起こり、令乃ち廢る。驟々令して行われざれば、民心乃ち外にす。外にして徒有れば、禍乃ち始めて牙す。衆の忿る所、寡は圖る能わず」と。
現代語訳
夏に乗じて伸びていく時期には、刑と賞をはっきり整え、必ず筋道を明らかにする。義を並べ法を設け、事を断じるのに理によって行い、気を空にし心を平らかにして、怒りと喜びを去る。もし法に背き令を捨てて怒りと喜びで動けば、禍と乱が生まれ、上の位は危うい。だから、喜んで賞するな、怒って殺すな、という。喜んで賞し怒って殺せば、怨みが起こり令は廃れる。たびたび令を出しても行われなければ、民の心は外へ向かう。外に向かって仲間ができれば、禍が芽を出す。多くの人が怒っていることを、少数では抑えられない。
解説
喜んで賞するな、怒って殺すな。感情で賞罰を動かすことを、はっきり禁じた段です。そうすれば怨みが起こり、令は廃れる。たびたび令を出しても行われなくなると、民の心が外へ向かい、そこで仲間ができれば禍が芽を出す。締めの一句が冷静で、多くが怒っていることは少数では抑えられません。
この章句が説くこと
事を断ずるに理を以てし気を虚しくし心を平らかにして乃ち怒喜を去る喜びて以て賞する無かれ怒りて以て殺す無かれ驟々令して行われざれば民心乃ち外にす衆の忿る所寡は図る能わず感情賞罰
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