管子 / 版法
凡將立事,正彼天植,風雨無違,逺近髙下各得其嗣。三經既飭,君乃有國。喜無以賞,怒無以殺。喜以賞,怒以殺,怨乃起,令乃廢。驟令不行,民心乃外。外之有徒,禍乃始牙。衆之所忿,置不能圗。
新字:凡将立事,正彼天植,風雨無違,遠近高下各得其嗣。三経既飭,君乃有国。喜無以賞,怒無以殺。喜以賞,怒以殺,怨乃起,令乃廃。驟令不行,民心乃外。外之有徒,禍乃始牙。衆之所忿,置不能図。
書き下し
凡そ將に事を立てんとせば、彼の天植を正し、風雨違うこと無く、遠近高下各々其の嗣を得しむ。三經既に飭れば、君乃ち國を有つ。喜びて以て賞すること無く、怒りて以て殺すこと無かれ。喜びて以て賞し、怒りて以て殺せば、怨み乃ち起こり、令乃ち廢る。驟令行われざれば、民心乃ち外にす。外にするに徒有らば、禍乃ち始めて牙す。衆の忿る所は、置きて圖る能わず。
現代語訳
およそ事を立てようとするなら、あの天の立て木を正しくし、風雨に逆らうことなく、遠近高下それぞれがその続きを得られるようにする。三つの筋がすでに整えば、君ははじめて国を保つ。喜んだからといって賞するな、怒ったからといって殺すな。喜んで賞し、怒って殺せば、怨みが起こり、令は廃れる。しきりに出す令が行われなければ、民の心は外を向く。外を向いた者に仲間ができれば、禍が芽を出しはじめる。人々が憤っていることは、放っておいては手が打てない。
解説
賞罰を気分から切り離せ、という段です。喜んだから賞する、怒ったから殺す。二つを並べて禁じ、その先に起こることを順に置きました。怨みが起こる、令が廃れる、心が外を向く、仲間ができる、禍が芽を出す。一つずつ進む書き方が、手遅れになっていく過程をそのまま見せています。締めが実務的です。人々が憤っていることは、放っておいたままでは手が打てない。
この章句が説くこと
喜びて以て賞すること無く怒りて以て殺すこと無かれ喜びて以て賞し怒りて以て殺せば怨み乃ち起こり令乃ち廃る驟令行われざれば民心乃ち外にす衆の忿る所は置きて図る能わず賞罰感情
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『韓非子』外儲説右下第三十五賞罰共にすれば則ち禁令行われず。何を以て之を明らかにせん。之を明らかにするに造父・於期を以てす。
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呂氏春秋・義賞①春氣至れば則ち草木産し、秋氣至れば則ち草木落つ。産と落とは之を使しむるもの或り。自ら然るに非ざるなり。故に之を使しむる者至れば、物為さざる無く、之を使しむる者至らざれば、物為す可き無し。古の人、其の使しむる所以を審らかにす、故に物、用を為さざる莫し。賞罰の柄、此れ上の使しむる所以なり。其の以て加うる所の者義なれば、則ち忠信親愛の道彰わる。久しく彰われて愈々長ずれば、民の之に安んずること性の若し。此を之れ教成ると謂う。教成れば則ち厚賞嚴威有りと雖も禁ずること能わず。故に善く教うる者は、義以て賞罰して教成り、教成りて賞罰禁ずること能わず。賞罰を用いて當らざるも亦た然り。姦偽賊亂貪戻の道興り、久しく興りて息まざれば、民の之を讎うること性の若し。戎夷胡貉巴越の民は、是を以て厚賞嚴罰有りと雖も、禁ずること能わず。郢人の兩版を以て垣するや、吳起之を變じて惡まる。賞罰易れば民安くんぞ樂しまん。氐羌の民、其れ虜となるや、其の係纍を憂えずして、其の死するに焚かれざるを憂うるは、皆、邪に成り、且つ成りて民を賊う。故に賞罰の加うる所は、慎まざる可からず。
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