管子 / 形勢解
地生養萬物,地之則也。治安百姓,主之則也。教䕶家事,父母之則也。正諫死節,臣下之則也。盡力共養,子婦之則也。地不易其則,故萬物生焉。主不易其則故百姓安焉。父母不易其則,故家事辦焉。臣下不易其則,故主無過失。子婦不易其則,故親養備具。故用則者安,不用則者危,地未嘗易其所以安也。故曰:「地不易其則。」春者陽氣始上,故萬物生。夏者陽氣畢上,故萬物長。秋者隂氣始下,故萬物収。冬者隂氣畢下,故萬物藏。故春夏生長,秋冬収藏,四時之節也。賞賜刑罰,主之節也。四時未嘗不生殺也,主未嘗不賞罰也。故曰:「春秋冬夏,不更其節也。」
新字:地生養万物,地之則也。治安百姓,主之則也。教䕶家事,父母之則也。正諫死節,臣下之則也。尽力共養,子婦之則也。地不易其則,故万物生焉。主不易其則故百姓安焉。父母不易其則,故家事辦焉。臣下不易其則,故主無過失。子婦不易其則,故親養備具。故用則者安,不用則者危,地未嘗易其所以安也。故曰:「地不易其則。」春者陽気始上,故万物生。夏者陽気畢上,故万物長。秋者陰気始下,故万物収。冬者陰気畢下,故万物蔵。故春夏生長,秋冬収蔵,四時之節也。賞賜刑罰,主之節也。四時未嘗不生殺也,主未嘗不賞罰也。故曰:「春秋冬夏,不更其節也。」
書き下し
地は萬物を生養す、地の則なり。百姓を治安す、主の則なり。家事を教䕶す、父母の則なり。正諫死節す、臣下の則なり。力を盡くして共養す、子婦の則なり。地其の則を易えず、故に萬物生ず。主其の則を易えず、故に百姓安んず。父母其の則を易えず、故に家事辦わる。臣下其の則を易えず、故に主に過失無し。子婦其の則を易えず、故に親の養い備え具わる。故に則を用うる者は安く、則を用いざる者は危うし。地未だ嘗て其の安んずる所以を易えざるなり。故に曰く、「地は其の則を易えず」と。春なる者は陽氣始めて上る、故に萬物生ず。夏なる者は陽氣畢く上る、故に萬物長ず。秋なる者は隂氣始めて下る、故に萬物収まる。冬なる者は隂氣畢く下る、故に萬物藏まる。故に春夏は生長し、秋冬は収藏す、四時の節なり。賞賜刑罰は、主の節なり。四時未だ嘗て生殺せずんばあらず、主未だ嘗て賞罰せずんばあらず。故に曰く、「春秋冬夏、其の節を更めず」と。
現代語訳
地は万物を生み育てる。これが地の則である。民を治めて安んじる。これが主の則である。家の事を教え守る。これが父母の則である。まっすぐ諫めて節に死ぬ。これが臣下の則である。力を尽くしてともに養う。これが子と嫁の則である。地はその則を変えない。だから万物が生まれる。主がその則を変えなければ、民は安らぐ。父母がその則を変えなければ、家の事は片づく。臣下がその則を変えなければ、主に過ちがない。子と嫁がその則を変えなければ、親の養いは行き届く。だから則を用いる者は安らかで、用いない者は危うい。地はいまだかつて、安んじるやり方を変えたことがない。だから、地はその則を変えない、という。春は陽の気が上りはじめる。だから万物が生まれる。夏は陽の気が上りきる。だから万物が伸びる。秋は陰の気が下りはじめる。だから万物が収まる。冬は陰の気が下りきる。だから万物が蔵まる。だから春夏は生み育て、秋冬は収め蔵する。これが四季の節である。賞と罰は、主の節である。四季が生かし殺さなかったことはなく、主が賞し罰しなかったこともない。だから、春秋冬夏はその節を改めない、という。
解説
この章句が説くこと
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呂氏春秋・義賞①春氣至れば則ち草木産し、秋氣至れば則ち草木落つ。産と落とは之を使しむるもの或り。自ら然るに非ざるなり。故に之を使しむる者至れば、物為さざる無く、之を使しむる者至らざれば、物為す可き無し。古の人、其の使しむる所以を審らかにす、故に物、用を為さざる莫し。賞罰の柄、此れ上の使しむる所以なり。其の以て加うる所の者義なれば、則ち忠信親愛の道彰わる。久しく彰われて愈々長ずれば、民の之に安んずること性の若し。此を之れ教成ると謂う。教成れば則ち厚賞嚴威有りと雖も禁ずること能わず。故に善く教うる者は、義以て賞罰して教成り、教成りて賞罰禁ずること能わず。賞罰を用いて當らざるも亦た然り。姦偽賊亂貪戻の道興り、久しく興りて息まざれば、民の之を讎うること性の若し。戎夷胡貉巴越の民は、是を以て厚賞嚴罰有りと雖も、禁ずること能わず。郢人の兩版を以て垣するや、吳起之を變じて惡まる。賞罰易れば民安くんぞ樂しまん。氐羌の民、其れ虜となるや、其の係纍を憂えずして、其の死するに焚かれざるを憂うるは、皆、邪に成り、且つ成りて民を賊う。故に賞罰の加うる所は、慎まざる可からず。
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