管子 / 度地
天子有萬諸侯也,其中有公侯伯子男焉,天子中而處。此謂因天之固,歸地之利,内為之城,城外為之郭,郭外為之土閬,地髙則溝之,下則隄之,命之曰金城。樹以荆棘,上相穯著者,所以為固也。嵗修增而毋已,時修增而毋已,福及孫子。此謂人命萬世無窮之利,人君之葆守也。臣服之以盡忠於君,君體有之以臨天下。故能為天下之民先也,此宰之任,則臣之義也。
新字:天子有万諸侯也,其中有公侯伯子男焉,天子中而処。此謂因天之固,帰地之利,内為之城,城外為之郭,郭外為之土閬,地高則溝之,下則隄之,命之曰金城。樹以荆棘,上相穯著者,所以為固也。歳修增而毋已,時修增而毋已,福及孫子。此謂人命万世無窮之利,人君之葆守也。臣服之以尽忠於君,君体有之以臨天下。故能為天下之民先也,此宰之任,則臣之義也。
書き下し
天子に萬諸侯有り、其の中に公侯伯子男有り、天子は中にして處る。此れを天の固に因り、地の利に歸すと謂う。内に之が城を為し、城の外に之が郭を為し、郭の外に之が土閬を為す。地髙ければ則ち之を溝し、下ければ則ち之を隄す。之を命じて金城と曰う。樹うるに荆棘を以てし、上相穯著する者は、固と為す所以なり。歲ごとに修め增して已む毋く、時ごとに修め增して已む毋くんば、福は孫子に及ぶ。此れを人命萬世無窮の利と謂い、人君の葆守なり。臣は之に服して以て忠を君に盡くし、君は之を體有して以て天下に臨む。故に能く天下の民の先と為るなり。此れ宰の任にして、則ち臣の義なり。
現代語訳
天子には万の諸侯があり、その中に公侯伯子男があり、天子は中央にいる。これを天の堅さに沿い、地の利に帰すという。内に城を作り、城の外に郭を作り、郭の外に土の囲いを作る。土地が高ければ溝を掘り、低ければ堤を築く。これを金の城という。荊や棘を植えて、上で互いに絡み合わせるのは、固くするためである。年ごとに修め増してやめず、季節ごとに修め増してやめなければ、福は孫の代まで及ぶ。これを人の命に関わる万世尽きない利といい、君の守るところである。臣はそれに従って忠を君に尽くし、君はそれを体として天下に臨む。だから天下の民の先に立てる。これが宰の任であり、臣の義である。
解説
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『管子』權脩人情二ならず、故に民情は得て御す可きなり。其の好惡する所を審らかにすれば、則ち其の長短知る可きなり。其の交游を觀れば、則ち其の賢不肖察す可きなり。二者失わざれば、則ち民能得て官とす可きなり。地の守りは城に在り、城の守りは兵に在り、兵の守りは人に在り、人の守りは粟に在り、故に地辟けざれば則ち城固からず。身有りて治まらざれば、奚ぞ人を待たん。人有りて治まらざれば、奚ぞ家を待たん。家有りて治まらざれば、奚ぞ鄉を待たん。鄉有りて治まらざれば、奚ぞ國を待たん。國有りて治まらざれば、奚ぞ天下を待たん。天下は國の本なり、國は鄉の本なり、鄉は家の本なり、家は人の本なり、人は身の本なり、身は治の本なり。
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『管子』君臣上是の故に天子善有れば、徳を天に讓る。諸侯善有れば、之を天子に慶す。大夫善有れば、之を君に納る。民善有れば、父に本づき、之を長老に慶す。此れ道法の從りて來たる所、是れ治の本なり。是の故に歲ごとに一たび言う者は、君なり。時ごとに省みる者は、相なり。月ごとに稽うる者は、官なり。四支の力に務め、耕農の業を修めて以て令を待つ者は、庶人なり。是の故に百姓は其の力を父兄の間に量り、其の言を君臣の義に聴きて、官は其の徳能を論じて之を待つ。大夫は官中の事を比べて、其の外を言わず、而して相與に常具を為して以て之に給す。相は要を總ぶる者にして、官は士を謀り、實義の美を量り、疑う所を匡し請う。而して君は其の明府の法瑞を發して以て之を稽え、三階の上に立ち、南面して要を受く。是を以て上に餘日有りて、官は其の任に勝え、時令淫せずして、百姓肅給す。唯だ此れ上に法制有り、下に分職有ればなり。
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『管子』輕重乙桓公曰く、「事を行うこと奈何」と。管子對えて曰く、「請う之と壤列を天下の旁に立てん。天子中立し、地は方千里、兼霸の壤は三百有餘里、佌たる諸侯は百里を度り、負海の子男は七十里を度る。此くの若くんば、則ち胷の臂を使い、臂の指を使うが如きなり。然らば則ち小は民に分かつ能わずして、徐疾を推し不足を羨し、下に在りと雖も君の憂いと為らず。夫れ海の泲を出だすこと止む無く、山の金木を生ずること息む無し。草木は時を以て生じ、器は時を以て靡幣す、泲水の鹽は日を以て消ゆ、終われば則ち始め有り、天壤と爭う、是れを壤列を立つと謂うなり」と。
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『管子』形勢解地大にして國富み、民衆くして兵强し、此れ盛滿の國なり。已に盛滿なりと雖も、德厚以て之を安んずる無く、度數以て之を治むる無ければ、則ち國は其の國に非ずして、民は其の民無きなり。故に曰く、「天の度を失えば、滿つと雖も必ず涸る」と。臣其の主に親しまず、百姓其の吏を信ぜず、上下離れて和せざれば、故に自ら安しと雖も、必ず且に之を危うくせんとす。故に曰く、「上下和せざれば、安しと雖も必ず危うし」と。主に天道有りて以て其の民を禦すれば、則ち民心を一にして其の上を奉ず、故に能く貴富にして久しく天下に王たり。天の道を失えば、則ち民離叛して聽き從わず、故に主危うくして久しく天下に王たるを得ず。故に曰く、「天下に王たらんと欲して天の道を失えば、天下得て王たる可からざるなり」と。
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『管子』山至數桓公又た管子に問いて曰く、「身を終うるまで天下を有ちて失う勿からんとするに、之を為すに道有りや」と。管子對えて曰く、「請う天下に施す勿かれ、獨り之を吾が國に施せ」と。桓公曰く、「此の若き言は何の謂いぞや」と。管子對えて曰く、「國の廣狹、壤の肥墝に數有り、歳を終うるまでの食の餘りに數有り、彼の國を守る者は、榖を守るのみ」と。曰く、「某の縣の壤の廣きこと若干、某の縣の壤の狹きこと若干、則ち必ず委幣を積み、是に於て縣州里は公錢を受く。泰秋、國榖は三分の一を去る、君令を下し、郡縣屬大夫里邑に謂いて皆な粟を籍りて入るること若干とす。榖の重は一なるも、以て上に藏する者、國榖三分すれば、則ち二分は上に在り。泰春、國榖の倍重するは、數なり。泰夏、榖を賦するに市の櫎を以てし、民は皆な上の榖を受けて以て田土を治む。泰秋、田榖の存予する者若干、今上榖を歛むるに幣を以てすれば、民は幣無しと曰いて榖を以てす、則ち民の三は上に歸する有り。重の相い因り、時の化舉するは、國筴と為さざる無し。
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『管子』度地襍篇八。昔者桓公管仲に問いて曰く、「寡人請う問う、地形を度りて國を為むる者は、其れ何如にして可ならん」と。管仲對えて曰く、「夷吾の聞く所、能く霸王と為る者は、蓋し天子聖人なり。故に聖人の國に處るや、必ず傾かざるの地に於いてす。而して地形の肥饒なる者を擇び、山に鄉い、左右に經水若しくは澤あり、内に落渠の寫を為し、大川に因りて焉に注ぐ。乃ち其の天材、地の生ずる所の利を以て、其の人を養いて以て六畜を育つ。天下の人、皆な其の德に歸して其の義を惠しとし、乃ち別ちて之を制斷す。州なる者は之を術と謂い、術に滿たざる者は之を里と謂う。故に百家を里と為し、里十を術と為し、術十を州と為し、州十を都と為し、都十を霸國と為す。霸國に如かざる者は國なり、以て天子に奉ず。