管子 / 度地
襍篇八昔者桓公問管仲曰:「寡人請問度地形而為國者,其何如而可?」管仲對曰:「夷吾之所聞:能為霸王者,蓋天子聖人也。故聖人之處國者,必於不傾之地。而擇地形之肥饒者,鄉山,左右經水若澤,内為落渠之寫,因大川而注焉。乃以其天材,地之所生利,養其人以育六畜。天下之人,皆歸其德而惠其義,乃别制斷之。州者謂之術,不滿術者謂之里。故百家為里,里十為術,術十為州,州十為都,都十為霸國,不如霸國者國也,以奉天子。
新字:襍篇八昔者桓公問管仲曰:「寡人請問度地形而為国者,其何如而可?」管仲対曰:「夷吾之所聞:能為覇王者,蓋天子聖人也。故聖人之処国者,必於不傾之地。而択地形之肥饒者,鄉山,左右経水若沢,内為落渠之写,因大川而注焉。乃以其天材,地之所生利,養其人以育六畜。天下之人,皆帰其徳而恵其義,乃別制断之。州者謂之術,不満術者謂之里。故百家為里,里十為術,術十為州,州十為都,都十為覇国,不如覇国者国也,以奉天子。
書き下し
襍篇八。昔者桓公管仲に問いて曰く、「寡人請う問う、地形を度りて國を為むる者は、其れ何如にして可ならん」と。管仲對えて曰く、「夷吾の聞く所、能く霸王と為る者は、蓋し天子聖人なり。故に聖人の國に處るや、必ず傾かざるの地に於いてす。而して地形の肥饒なる者を擇び、山に鄉い、左右に經水若しくは澤あり、内に落渠の寫を為し、大川に因りて焉に注ぐ。乃ち其の天材、地の生ずる所の利を以て、其の人を養いて以て六畜を育つ。天下の人、皆な其の德に歸して其の義を惠しとし、乃ち別ちて之を制斷す。州なる者は之を術と謂い、術に滿たざる者は之を里と謂う。故に百家を里と為し、里十を術と為し、術十を州と為し、州十を都と為し、都十を霸國と為す。霸國に如かざる者は國なり、以て天子に奉ず。
現代語訳
〔雑篇の八〕昔、桓公が管仲に問うた。地形を測って国を作るには、どうすればよいか。管仲が答えた。私が聞いたところでは、覇王となれる者は、およそ天子か聖人です。聖人が国を置くときは、必ず傾かない土地を選びます。地形の肥えて豊かなところを選び、山に向かい、左右に大きな川か沢があり、内側に水路を通し、大きな川に注がせます。そのうえで、天の材と土地の生む利によって人を養い、六畜を育てます。天下の人がみなその徳に帰し、その義をありがたいとしたら、そこで区切って定めます。州にあたるものを術といい、術に満たないものを里といいます。百家で里、里十で術、術十で州、州十で都、都十で覇国となります。覇国に及ばないものが国であり、天子に奉じます。
解説
この章句が説くこと
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『管子』霸言夫れ天下の權を用いんと欲する者は、必ず先ず德を諸侯に布く。是の故に先王は取る所有り、與うる所有り、詘まる所有り、信ぶる所有り、然る後に能く天下の權を用う。夫れ兵は權に幸り、權は地に幸る。故に諸侯の地利を得る者は、權之に從う。地利を失う者は、權之を去る。夫れ天下を爭う者は、必ず先ず人を爭う。大數に明らかなる者は人を得、小計に審らかなる者は人を失う。天下の衆を得る者は王たり、其の半ばを得る者は霸たり。是の故に聖王は禮を卑くして以て天下の賢に下りて之に王たり、分を均しくして以て天下の衆を釣りて之を臣とす。故に貴きこと天子と為り、富は天下を有ちて、伐して貪と謂われざるは、其の大計存すればなり。天下の財を以て、天下の人を利す。明威の振るうを以て、天下の權を合わす。遂德の行を以て、諸侯の親を結ぶ。姦佞の罪を以て、天下の心を刑す。天下の威に因りて、以て明王の伐を廣む。逆亂の國を攻め、有功の勞を賞し、賢聖の德を封じ、一人の行を明らかにして、百姓定まる。
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『管子』輕重乙桓公曰く、「事を行うこと奈何」と。管子對えて曰く、「請う之と壤列を天下の旁に立てん。天子中立し、地は方千里、兼霸の壤は三百有餘里、佌たる諸侯は百里を度り、負海の子男は七十里を度る。此くの若くんば、則ち胷の臂を使い、臂の指を使うが如きなり。然らば則ち小は民に分かつ能わずして、徐疾を推し不足を羨し、下に在りと雖も君の憂いと為らず。夫れ海の泲を出だすこと止む無く、山の金木を生ずること息む無し。草木は時を以て生じ、器は時を以て靡幣す、泲水の鹽は日を以て消ゆ、終われば則ち始め有り、天壤と爭う、是れを壤列を立つと謂うなり」と。
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『管子』山國軌桓公管子に問いて曰く、「請う國を官する軌を問う」と。管子對えて曰く、「田に軌有り、人に軌有り、用に軌有り、鄉に軌有り、人事に軌有り、幣に軌有り、縣に軌有り、國に軌有り。軌數に通ぜずして、國を為めんと欲するは、可ならず」と。桓公曰く、「軌數を行うこと奈何」と。對えて曰く、「某の鄉の田は若干ぞ、人事の準は若干ぞ、榖の重は若干ぞ。曰く、某の縣の人は若干ぞ、田は若干ぞ、幣は若干にして用に中たるか、榖の重は若干にして幣に中たるか。歳を終うるに人の食を度り、其の餘りは若干ぞ。曰く、某の鄉の女の事に勝うる者は歳を終うるまで績む、其の功業は若干ぞ。功業を以て時に直りて之を櫎り、歳を終うるに、人已に衣被するの後、餘れる衣は若干ぞ。羣軌を别かちて壤の宜しきを相る」と。桓公曰く、「何をか羣軌を别かち、壤の宜しきを相ると謂う」と。管子對えて曰く、「莞蒲の壤有り、竹箭檀柘の壤有り、汜下漸澤の壤有り、水潦魚鼈の壤有り。今四壤の數、君皆な善く官して之を守れば、則ち財物に籍りて、人に籍らず。畆十畆の壤、君軌を以て守らざれば、則ち民且に之を守らんとす。民に移り過ぎて力を長ずる有り、本を以て得と為さざるは、此れ君の失なり」と。
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『管子』小匡桓公曰く、「國を參にするは奈何」と。管子對えて曰く、「國を制して以て二十一鄉と為す、商工の鄉六、士農の鄉十五。公は十一鄉を帥い、高子は五鄉を帥い、國子は五鄉を帥う、國を參にする故に三軍と為す。公三官の臣を立て、市に三鄉を立て、工に三族を立て、澤に三虞を立て、山に三衡を立つ。五家を制して軌と為し、軌に長有り。十軌を里と為し、里に司有り。四里を連と為し、連に長有り。十連を鄉と為し、鄉に良人有り。三鄉に一帥」と。桓公曰く、「五鄙は奈何」と。管子對えて曰く、「五家を制して軌と為し、軌に長有り。六軌を邑と為し、邑に司有り。十邑を率と為し、率に長有り。十率を鄉と為し、鄉に良人有り。三鄉を屬と為し、屬に帥有り。五屬に一大夫、武政は屬に聽き、文政は鄉に聽き、各々保ちて聽き、淫佚なる者有る毋し」と。
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『管子』乘馬上地は方八十里にして、萬室の國一、千室の都四。中地は方百里にして、萬室の國一、千室の都四。下地は方百二十里にして、萬室の國一、千室の都四。上地の方八十里を以て、下地の方百二十里と、中地の方百里に通ず。
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『管子』度地天子に萬諸侯有り、其の中に公侯伯子男有り、天子は中にして處る。此れを天の固に因り、地の利に歸すと謂う。内に之が城を為し、城の外に之が郭を為し、郭の外に之が土閬を為す。地髙ければ則ち之を溝し、下ければ則ち之を隄す。之を命じて金城と曰う。樹うるに荆棘を以てし、上相穯著する者は、固と為す所以なり。歲ごとに修め增して已む毋く、時ごとに修め增して已む毋くんば、福は孫子に及ぶ。此れを人命萬世無窮の利と謂い、人君の葆守なり。臣は之に服して以て忠を君に盡くし、君は之を體有して以て天下に臨む。故に能く天下の民の先と為るなり。此れ宰の任にして、則ち臣の義なり。