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管子 / 禁藏

夫物有多寡,而情不能等。事有成敗,而意不能同。行有進退,而力不能兩也。故立身於中,養有節。宫室足以避燥濕,食飲足以和血氣,衣服足以適寒温禮儀足以别貴賤,游虞足以發歡欣,棺槨足以朽骨,衣衾足以朽肉,墳墓足以道記。不作無補之功,不為無益之事,故意定而不營氣情。氣情不營,則耳目榖衣食足。耳目榖衣食足,則侵爭不生,怨怒無有,上下相親,兵刃不用矣。

新字:夫物有多寡,而情不能等。事有成敗,而意不能同。行有進退,而力不能両也。故立身於中,養有節。宫室足以避燥湿,食飲足以和血気,衣服足以適寒温礼儀足以別貴賤,游虞足以発歓欣,棺槨足以朽骨,衣衾足以朽肉,墳墓足以道記。不作無補之功,不為無益之事,故意定而不営気情。気情不営,則耳目榖衣食足。耳目榖衣食足,則侵争不生,怨怒無有,上下相親,兵刃不用矣。

書き下し

夫れ物に多寡有りて、情等しき能わず。事に成敗有りて、意同じき能わず。行に進退有りて、力兩つながらする能わざるなり。故に身を中に立て、養うに節有り。宫室は燥濕を避くるに足り、食飲は血氣を和するに足り、衣服は寒温に適するに足り、禮儀は貴賤を別つに足り、游虞は歡欣を發するに足り、棺槨は骨を朽たすに足り、衣衾は肉を朽たすに足り、墳墓は記を道るに足る。無補の功を作さず、無益の事を為さず、故に意定まりて氣情を營まず。氣情營まれざれば、則ち耳目榖き衣食足る。耳目榖き衣食足れば、則ち侵爭生ぜず、怨怒有る無く、上下相親しみ、兵刃用いられず。

現代語訳

物には多い少ないがあって、思いは等しくできない。事には成ると敗れるがあって、意は同じにできない。行いには進むと退くがあって、力は両方には使えない。だから身を真ん中に立て、養うのに節がある。宮室は乾きと湿りを避けられれば足り、食と飲みは血と気を和らげられれば足り、衣服は寒さと温かさに合えば足り、礼と儀は貴賤を分けられれば足り、遊びと楽しみは喜びを起こせれば足り、棺は骨を朽ちさせられれば足り、衣と衾は肉を朽ちさせられれば足り、墓は記しを残せれば足りる。補いにならない功を作らず、役に立たない事をしない。だから意が定まって気と情に取り込まれない。気と情に取り込まれなければ、耳と目は落ち着き衣食は足りる。耳と目が落ち着き衣食が足りれば、侵し争うことは起こらず、怨みも怒りもなく、上下は親しみ、刃は使われない。

解説

足りる、という言葉を並べた段です。宮室は乾きと湿りを避けられれば足り、衣服は寒暖に合えば足り、棺は骨を朽ちさせられれば足りる。どこまでが必要かを、用途で線引きしました。そこまでで止めれば、気と情に取り込まれない。取り込まれなければ争いも怨みも起きず、刃は使われない、と結ばれます。

この章句が説くこと

物に多寡有りて情等しき能わず行に進退有りて力両つながらする能わざるなり宫室は燥湿を避くるに足り食飲は血気を和するに足る無補の功を作さず無益の事を為さず足る

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