管子 / 七主七臣
夫法者,所以興功懼暴也。律者,所以定分止爭也。令者,所以令人知事也。法律政令者,吏民規矩繩墨也。夫矩不正,不可以求方。繩不信,不可以求直。法令者,君臣之所共立也。權勢者,人主之所獨守也。故人主失守則危,臣吏失守則亂。罪決於吏則治,權斷於主則威,民信其法則親。是故明王審法愼權,下上有分。
新字:夫法者,所以興功懼暴也。律者,所以定分止争也。令者,所以令人知事也。法律政令者,吏民規矩縄墨也。夫矩不正,不可以求方。縄不信,不可以求直。法令者,君臣之所共立也。権勢者,人主之所独守也。故人主失守則危,臣吏失守則乱。罪決於吏則治,権断於主則威,民信其法則親。是故明王審法慎権,下上有分。
書き下し
夫れ法なる者は、功を興し暴を懼れしむる所以なり。律なる者は、分を定め爭いを止むる所以なり。令なる者は、人をして事を知らしむる所以なり。法律政令なる者は、吏民の規矩繩墨なり。夫れ矩正しからざれば、以て方を求む可からず。繩信ならざれば、以て直を求む可からず。法令なる者は、君臣の共に立つる所なり。權勢なる者は、人主の獨り守る所なり。故に人主守を失えば則ち危うく、臣吏守を失えば則ち亂る。罪吏に決すれば則ち治まり、權主に斷ずれば則ち威あり、民其の法を信ずれば則ち親しむ。是の故に明王は法を審らかにし權を愼み、下上に分有り。
現代語訳
法は、功を興し乱暴を畏れさせるためのものである。律は、分を定めて争いを止めるためのものである。令は、人に事を知らせるためのものである。法と律と政と令は、役人と民にとっての定規と墨縄である。定規が正しくなければ、四角を求められない。墨縄が確かでなければ、まっすぐを求められない。法令は君と臣がともに立てるものであり、権勢は主が独りで守るものである。だから主が守るところを失えば危うく、臣や吏が守るところを失えば乱れる。罪が吏のところで決まれば治まり、権が主のところで断じられれば威があり、民がその法を信じれば親しむ。だから明王は法をはっきりさせ権を慎み、下と上に分がある。
解説
法と律と令を、それぞれの役目で分けた段です。法は功を興し、律は分を定め、令は事を知らせる。そのうえで、法令は君臣がともに立てるもの、権勢は主が独りで守るもの、と線を引きました。共有するものと共有しないものが、はっきり分けられています。罪は吏のところで決まり、権は主のところで断じられる、とも。
この章句が説くこと
法なる者は功を興し暴を懼れしむる所以なり律なる者は分を定め争いを止むる所以なり法律政令なる者は吏民の規矩縄墨なり法令なる者は君臣の共に立つる所なり権勢なる者は人主の独り守る所なり罪吏に決すれば則ち治まり権主に断ずれば則ち威あり法律
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