管子 / 小問
桓公曰:「寡人不言伐莒,而子言伐莒,其故何也?」東郭郵對曰:「臣聞之,君子善謀,而小人善意,臣意之也。」桓公曰:「子奚以意之?」東郭郵曰:「夫欣然喜樂者,鐘鼔之色也。夫淵然清静者,縗絰之色也。漻然豐滿而手足拇動者,兵甲之色也。日者臣視二君之在臺上也,口開而不闔,是言莒也;舉手而指,勢當莒也。且臣觀小國諸侯之不服者,唯莒於是。臣故曰伐莒。」桓公曰:「善哉。以微射明,此之謂乎!子其坐,寡人與子同之。」
新字:桓公曰:「寡人不言伐莒,而子言伐莒,其故何也?」東郭郵対曰:「臣聞之,君子善謀,而小人善意,臣意之也。」桓公曰:「子奚以意之?」東郭郵曰:「夫欣然喜楽者,鐘鼔之色也。夫淵然清静者,縗絰之色也。漻然豊満而手足拇動者,兵甲之色也。日者臣視二君之在台上也,口開而不闔,是言莒也;舉手而指,勢当莒也。且臣観小国諸侯之不服者,唯莒於是。臣故曰伐莒。」桓公曰:「善哉。以微射明,此之謂乎!子其坐,寡人与子同之。」
書き下し
桓公曰く、「寡人伐莒を言わざるに、子伐莒を言う、其の故は何ぞや」と。東郭郵對えて曰く、「臣之を聞く、君子は善く謀り、小人は善く意ると。臣之を意れるなり」と。桓公曰く、「子奚を以て之を意れる」と。東郭郵曰く、「夫れ欣然として喜樂するは、鐘鼔の色なり。夫れ淵然として清静なるは、縗絰の色なり。漻然として豐滿にして手足の拇動くは、兵甲の色なり。日者臣二君の臺上に在るを視るに、口開きて闔じず、是れ莒を言うなり。手を舉げて指す、勢い莒に當たるなり。且つ臣小國諸侯の服せざる者を觀るに、唯だ莒のみ是に於いてあり。臣故に伐莒と曰う」と。桓公曰く、「善いかな。微を以て明を射る、此れの謂いか。子其れ坐せ、寡人子と之を同じくせん」と。
現代語訳
桓公が言った。私は莒を討つと口にしていないのに、おまえが莒を討つと言った。なぜか。東郭郵が答えた。私はこう聞いています。君子はよくはかり、小人はよく察する、と。私は察したのです。桓公が言った。何によって察したのか。東郭郵が言った。にこやかに喜び楽しむのは、鐘や太鼓のときの顔つきです。深く静まって清らかなのは、喪服のときの顔つきです。ゆったりと満ちて手足の親指が動くのは、武具のときの顔つきです。先日、私はお二人が台の上におられるのを見ました。口が開いて閉じなかった。それは莒と言っていたのです。手を挙げて指した、その向きが莒に当たっていました。しかも小国の諸侯で従っていない者を見れば、莒だけです。だから私は莒を討つと言ったのです。桓公が言った。よいことだ。かすかなものから明らかなものを射当てる、とはこのことか。おまえは座りなさい。私はおまえと同じところに立とう。
解説
この章句が説くこと
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